ミレー領編

第1話 ココはどこだろう?

 救急車やパトカーのサイレンの音が鳴り響いている。


(やっと、父さんと母さんのところへ行けるのか)

 

 そして俺は深い暗闇に落ちていった。




 俺は、周りが明るく土の匂いがすることに気づいた。


「ここは、どこだ?」


 周りはとても広い草原が広がっている。しばらくそのままぼーっとしていると、馬に乗った女性が近づいてきた。


「こんなとこで何しているのですか!」


 唐突に怒られた俺は、びっくりした。


「さぁ、帰えるわよ」


 どうやら、家にかえるようだった。

 家にかえった後も、ここがどこかやこの体は誰のものなのかを考えていた。推定年齢は6歳位だと思うが、名前がわからない。


「さて、どうしたものか」


 体が幼いこともあってか、睡魔に襲われた俺は、すぐに深い眠りについた。





「ヴェゼル様、朝でございます」


 そこにいたのは、昨日、家に連れて帰ってくれた使用人さんだった。


「おはようございます」


「食事の準備はできていますよ」


「ありがとうございます」


 俺は食堂へ行き、この世界最初の食事を取った。

 俺は少し期待していたことがあった。それは、ゴージャスな食事をだ。家が城みたいだったから少し期待したんだけどな。

 楽しみのご飯は、少し豪華かなくらいだった。


 数週間暮らしてみてわかったことがある。

 俺の名前はヴェゼル・フォン・ミレー、6歳だ。貴族出身だが、貴族にはなれないそうだ。

 父は、アーリー・フォン・ミレー35歳、現ミレー家当主だ。

 母は、チェック・フォン・ミレー33歳、アーリーの正妻だ。

 この人々が、俺の新しい家族だ。

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