第一話超心理学のあらまし⑭


「さて、俺も服部大権に加勢しようか、否か、俺も俺であいつとは友人なのだよ」


と、薄氷院幻心がそんな事を吐露した。


ホモソーシャル、女性及び同性愛、ホモセクシュアル、を排除することによって成立する、男性間の緊密な結びつきや関係性を意味する社会学の用語。 イヴ・セジウィックによる「男性の、同性間の結びつき、ホモソーシャル、への欲望」という議論によって普及した。メンズリブは、狭義では、男性がその性規範を批判的にとらえ男らしさからの解放を訴える思想や運動のことである。日本語では、男性解放論、男性解放運動。1995年、豊田正義がメンズリブ団体として「メンズリブ東京」を立ち上げて代表となった。当時のメンズリブ運動はかなり方向性や趣旨の違うものも含まれ、「メンズリブ東京」では上述の欧米のメンズリブとも同様の諸問題の他、それらに加えて性自認(性同一性障害)の問題、男性の異常性愛をどう肯定的に無害化するかの問題、男性のコミュニケーション障害の問題、オタクの自意識の問題、等かなり幅広い問題意識のもとで展開した。現在の日本におけるメンズリブ組織のほとんどは、男性が性規範を無批判に内面化する事によって生じる弊害からの脱却を目指して男性解放論を掲げている、男性団体も参照するべきだ。そして、フェミニズムとは、女性解放思想、およびこの思想に基づく社会運動の総称であり、政治制度、文化慣習、社会動向などのもとに生じる性別による格差、性差別に影響されず男女が平等な権利を行使できる社会の実現を目的とする思想または運動である。 男女同権主義に基づく、女権拡張主義、女性尊重主義である。それらとは乖離した。


薄氷院幻心には性別ジェンダーがない、つまりは無性別エックスジェンダー、男としての精巣も女性としての卵巣も持たない。ちんぽはあれど、それは性的不能なのであった。


それは清く美しい玉体ぎょくたいと呼んでも良い、それこそが能力名でもいい。


人間の深淵的恐怖は自分以外と違う性別を侮蔑し、唾棄し、卑下し、そういうのを絶えず繰り返す、自分には存在しない概念は自分の中では結局、理解不能なのだと思ってしまう。


しかし、玉体はそういう性別を抜きにした人間関係を確実に構築することが可能だ。


性的な目的、性的な欲求、そういうのとは無縁であり、女友達というのも確立させられる、好き嫌いには性的な干渉が不在となる。


それを嫌がる人間もいるかもしれない。


男女関係の最終地点とはとどのつまり性交、しかし、彼はそこから外れたフラットなとてつもない人間性を有していたのだった。

 

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