第一話超心理学のあらまし⑬


「おい、誾星さん」


誾星万世は走り続ける中、並走される。


薄氷院幻心の走るストライド走法のフォームは完璧を越えた完璧になっており、それにより、誾星万世に追いついた。


その次に薄氷院幻心についてこれるのは葛葉正人、光速化しても超音速スーパーソニックにはまだ、勝利は叶わないようだ。


それを追いかける馬上の楠木次成。


乗る馬は小叡智こえいちと名付けられた白馬だ。


そして杉帰史民は銃剣ベイオネットをつけた光輝く呪いの弾丸を効率よく放つための軍式銃アサルトライフル遺恨伍式いこんごしきを持ったまま三人についていく。


誾星万世は薄氷院幻心にうんざりとする。


「なんだ?私は今、忙しいんだ」


投げ槍になっていた。


「雄の獣の匂いを追いかけるならばそれは恋の予感だ、俺の方が濃そうだろ?」


下ネタを投下した。


「死ね」


それに誾星万世は殺意を向ける。


そうしている間に楠木次成の小叡智が彼等に追いついてきて流鏑馬をしようとする。


流鏑馬、それは流鏑馬は、日本の古式弓馬術である。武家社会で行われた騎射の一種で、馬術と弓術を組み合わせたもの。 疾走する馬に乗りながら鏑矢で的を射る、技術であり儀式であり競技である。


彼は光の矢の放たれた方角に気づいた。


それにより、ある程度の目星はついた。


「二人とも君達の探している人間は僕の方が先に見つけられそうだね」


彼は騎乗しながらも弓矢の狙いを定めるようとした。それは血の匂いの香る方だ。


「フーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」


深呼吸をすかさずして心頭滅却をする。


透き通った殺意がそこにはあった。


そして、射る。


覇瀬天狼はグラウンドを一周するように戦闘している領域を外周して様子見していた。


その前、彼の顔の目の前を通りすぎた。


「あれ?今、当たったような当たっていないような、軍人気質、軍人将棋、自分はそういうのを感じられるのはどうやら苦手だね」


それに薄氷院幻心は少し気づいた。


「今、うしとらの方角にいたな」


「何?」


誾星万世は彼の直感を信じようと思った。


「ならば今は私から見て南南西だな」


という方向感覚を付け加えた。


その間にも服部大権は覇瀬天狼掃討戦の最前線で走り続けていた。気配を研ぎ澄ます。


忍者に会うならば己も忍者になる。


戦争の熱気で神経や血脈が昂る。


それによって微量な気を漏らしていた。


よりもっと絶対的な気配遮断ステルスをしなければその忍者には会えないだろう。


「ドーーーーモ!」


その結果、覇瀬天狼は振り向いた。


「どうも、貴方は忍者ですか?私は覇瀬軍刀術はぜぐんとうじゅうの継承者、覇瀬天狼です」


忍者であることはさりげなく否定された。

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