ヴァーミリオン・ウォーズ～～ここが北極星軍学校、俺が新時代の最強尖兵になる！～～

第一話超心理学のあらまし⑫

朱雀組四天王、三番目の猛者。

私は、主が王座の上に座って、顔を上げられるのを見ました。 彼の上に、セラフィムは立っていました。それぞれには、6つの翼があり、2つの翼で、彼は顔を隠した。そして、2つの翼で足を覆った。そして、2つの翼で飛翔されたのです。— 『イザヤ書』6:1–2

能力は太極障壁（パラドックスバリア）。

そこに飛来した超機動兵器、巨大ロボット、北山工業（きたやまこうぎょう）の老舗のパーツを取り入れた陰陽道の軍事使用の極致がそこにある。

その機体の名前は天海（てんかい）である。

天海の出自、『東叡山開山慈眼大師縁起』に「陸奥国会津郡高田の郷にて給ひ。蘆名修理大夫平盛高の一族」と記されていることから、三浦氏の一族である蘆名氏の出自で、陸奥国に生まれたとされる。しかし同縁起には「俗氏の事人のとひしかど、氏姓も行年わすれていさし知ず」とあり、天海は自らの出自を弟子たちに語らなかったとある。また、「将軍義澄の末の御子といへる人も侍り」と足利将軍落胤説も同時に載せられている。果ては姿を変えて生き残った明智光秀であるという説まである天海=明智光秀説。須藤光暉は、諸文献の比較検討により、蘆名氏の女婿である船木兵部少輔景光の息子であると結論づけているとされている。

新しい六翼（ろくよく）がそれにはある。

それにより、強く、美しく飛翔した。

「朱雀組の皆様、そして玄武組の皆様、私は日本副王（サブエンペラー）、安部正見（あべまさみ）でございます」

そのパイロットはそう名乗っていた。

「この世界は新世界秩序（ニューワールドオーダー）か原初の混沌（プロトタイプカオス）の二つの極論しかない、そんな時代にはもううんざりしている、新しい秩序も作る、そのためにはこの私という新混沌（ネオカオス）が必要です」

タロットカード、世界のアルカナは正位置か逆位置かで一番、特に違うのである。

「この私こそを特異点として、更なる特異点、そしてまた特異点を作りましょう」

そんな大胆不敵な呪詛めいた演説。

「そうせい」

と、言ったのは彼の配下の毛利照明（もうりてるあき）。

毛利元就の直系らしいにんげんである。

彼は盲目で、弓矢を引いている。

「そうするな」

その矢は覇瀬天狼の頬をかすめていった。

光速の弓矢を放つ能力、日輪極矢（サンシャインハイパーアロー）。

それに極度に反応したのが服部大権だ。

「不意打ちによる血の匂いが香るな、これはまさか忍者と忍者がぶつかった証拠！」

そして、彼は単独行動を開始した、いつのも事だと他の者達が彼の後を追いかける。

「ドーモ、ドーモ、ドーモ、いやいない、ドーモ、ドーモ、ドーモ、いやいないな」

服部大権はそれでも狂信的に強迫されたかのように、覇瀬天狼の影を追いかける。

鉄の化身となった女がいても気にせずぶつかり、彼女をきりもみ回転させた、事故だ。

朱雀組四天王、最後の女性、誾星万世（ぎんせいまんよ）は安部正見の言葉を全て聞いていた。

含蓄する部分を多いと思い、頷いていた。

そして、手に持つのは赤樫（あかがし）の木刀、それに自身の超能力銀色の稲妻（シルバーサンダー）を垂れ流して、服部大権の後を追い始めたのであった。