第一話超心理学のあらまし③
その惨劇を目のあたりにした一人の男、学生指定のジャージでもない男がいる。
それは一年玄武組の人間である。
「彼は強い、ならば、どうすればいい、俺はどうしたらいい?」
それは彼は一度、引きこもり、ネットゲーム中毒、廃人になった、不幸中の幸いか、父親は柔軟性がかなりあり、その上、IT企業社長の成金でもあり、同時にインターネットが第二の現実という認識もあった、そこで新しい人間関係を作り、オフ会にも気安く行けば良いと思っている、ネットゲームで自分の通帳から物凄い勢いでクレジットカードが減っていても腹の底から笑って許した、名前は
地頭は悪くない、虐めさえなければ成績優秀は確実、それが嫌われる要因に繋がる場合がある、威勢だけでよく女にモテたいから死ぬ気でスクールカースト上位を求めている、いや、死ぬ気というのは語弊がある、それは影脇亜龍の殺意だからだ。
しかし、VRというのも極めて発展している。自作のプログラムの才能もある、ゲームプログラム、そして、メタバースというのにも父親の影響で詳しい。
母親はちんぷんかんぷんだが、部屋の前の料理はいつもインスタントではない手作り料理で愛が際限なく伝わる、やはり、虐めっ子を殺せば母親の慟哭も減るのかと思うが新聞で悪評が広める方がリスクがある。なのでいつもやめてる。
オンラインカジノというのがあるがMMORPGのカジノだけで大損する事があるのは分かっていた、SNSのフォロワーも着実に増やし、人権問題には敏感に反応しないで、虐めっ子が腫れた部分を更に殴り嬉々するように、相手の心の古傷を抉る好奇心の塊でもない。
そっとしておくのも大切、その上で様々なゲームを学校の授業と置き換えてやり続けたりもしていた、その結果、あらゆるゲームの技、必殺技を学んでいった。
異世界転生やVRMMORPGのネット小説もあまさず忘れず網羅している。
そういう熱意が人一倍あると自認していた。
しかし、そこから脱却、型は様々ある、侍というのが和風ゲームでいくらでもある。
MMORPGでも侍というのはいる、通信空手の広告はあるが通信剣道はない。
そういう剣道というのは門外不出で一系統のみを伸ばすことを必然とする。
彼の元母校の体育の先生は不良達を更生させて、柔道部や空手部よりも大盛況で全国大会にも屈指の名選手を数多く生んだボクシング部の顧問でもあったが自分は違う。
そうしたのは患い事で何もかもどうでもいいが、VR空間に我流剣法を編み出し、それを彼はこう名付けた、
どのような方法かは一瞬として分からない、一度に無数の攻撃は回数すら不明瞭だ。
目の前の疑似的な植物園の異形の草を次々に切り伏せていった。
「………さて、そして、どうしようか?」
彼の一人だけの世界観のための自問自答は続く。
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