第一話超心理学のあらまし①


保健体育から派生した授業、超能力、それは松果体しょうかたいという未知の脳領域について解明して、それによって、それが超能力の源であるともされている。


能力は一人につき一人が原則となっているのもここからだ。


人間の松果体は人間には一つしかない。


それは第三の目サードアイとも言われるがアニメや漫画の描写とは違い、額ではなく、脳の側面にある。


臨死により霊能力や超能力に目覚めるということもあるらしい。


臨死体験により、「何か」に出会い、力を目覚めさせられるという。


人外魔境、天使か、悪魔か、宇宙人か、四次元の暗黒空間か五次元の光明空間か。


それとも、他にも異界の類、魑魅魍魎、妖怪の類なのか。


或いは、神、破壊神だろうと邪神だろうと神は神であるとされる。


それをシンボルにするのは世界各地にあり、古代エジプト、そこからプロビデンスの目という概念が生まれる、歴史上、シャーマンや陰陽師はこの松果体が活性化したともされる、つまり松果体さえ活性化されれば超能力が得られる。


というのが、基本である。


問題は次である、それは膨大な気力、エーテル体の覚醒という話にも繋がる。


魂の底力とも言えるだろう。


というのを覇瀬天狼は目の前の女教師から一応、聞いている。


彼女は担任であり、自己紹介など「どうも、私の名前は美陽院明影びよういんあきかげです、担当科目は超能力です」と名乗って終わっている。


しかし、エーテル体、それは空気中に揺蕩うならば幽霊と言われる。


それは電磁気学で忌まれた生体磁気論、生体電流とされる。


いわば心電図というのが当たり前ともされる。


それを未知のエネルギー供給源、フリーエネルギーにしようともする。


無知の極みだが、それはそれで不条理という条理になるだろう。


ただより安いものはないというのがここでは歪な警句にもなる。


それでもなお、その根底にある無知の結果は悲惨であることを知らないだろう。


そこにはきっと、違う意味で巨大な闇がある。


何故ならば、超能力について少しも学んでいないからだ。


「で、我々は目覚めた者としてこの国の未来のために生き抜くのです、そして、我々はこれから、この国の未来を支えるべき行動について考えないといけません」


政治の分野ならば、まず防衛費というのになるだろう。


この学校が文部科学省か防衛省もとい国防省の管轄か、その境界線は曖昧である。


この学校の歴史は元来、明治時代からあるとされる。


そこからこんな近未来になってしまったのだ。


だるいと欠伸を何故か漏らしたくなる気分にもなる。


「ふわっ………おっと」


しかし、その欠伸は嚙み殺した。

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