田舎に囚われて お題 複雑な人体
夕暮れの森の中、二つの影がある。
「なあ、いくらなんでもよお。なんでここにずっといるんだ」
「想定と違う。想定と違う」
「だってよ。もうここに隠れて一か月だぞ。想定しとけって話だ」
「我慢だ。我慢だ」
「食料もどんどんなくなってきた。最初は楽に狩りができたけど、今は警戒されてうまくいかない」
「援軍がくる。援軍がくる」
「それをずっといってるな。ここより重要拠点を今頃集中して攻撃してるんだろ。田舎だからなここ」
「安心しろ。安心しろ」
そういうと、相棒は葉っぱの上に盛り付けられた肉をだしてきた
「複雑な人体だな」
俺はそういいながら肉を食べた
「いたぞおおお! ここにいたああ!」
「まて。こいつは我々の星が総力を挙げて作り上げた生命体。お前ら人間を食べたりしていない。俺は殺してもいいから、こいつだけは! 頼む」
「何故お前の話を聞かなくてはいけない?」
「こいつの安全を保障してくれたら俺の星にお前たちと友好関係を構築できるように掛け合う……だから」
男がタブレットで映像を見せてきた。
「これはお前の星だ。くそ異星人。お前の星はない。あるのは墓場。墓参りの時間だ」
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