もともと、脳内がADHDなのである

 わたしの脳内は常に何かしら動いている。ずっと考えている。それがわたしの「当たり前」だったので、皆もそうだと思っていたら、あるとき違うと知って驚いた。

 そうか。

 普通の人はずっと考えてはいないのか。

 

 わたしはともかく、起きている間、ずっと考えている。

 しかも同時に複数のことを考えている。冗談でなく、裏起動で考えたりしている。

 この思考による脳疲労を快復させる手立ては眠ることだけ。

 ゆえにわたしはよく眠っていた。結婚するまでは。


 一人になる時間。

 ぐっすりと眠ること。


 これがわたしには必要なんです。どうしても。

 でも、家庭があると難しいよね?



 疲労は静かに静かに溜まっている。

 たぶん、疲労を快復させるために、チョコレートを食べている。お菓子を食べている。だから太るのだけれど。


 ストレス耐性がないのかもしれない。

 だけど、ずっと我慢することを強要されてきたので、ストレスをどうしたらいいのか分からない。極限まで我慢する術しかしらない。

 ついでに、わりに何でも出来てしまうことも問題だ。

 何かがしんどくても、出来る限りやってしまう。

 そうして、何かを苦労して成し遂げると、それは「出来ること」の箱に分類される。


 ケーキ屋さんで暴言を吐かれていて、普通ならもっと早くに辞めるよ、と皆に言われた。でも、何だか大丈夫そうな気がして、オーナーさんも悪いばかりではないとかわたしが辞めたら迷惑をかけるかもとかいろいろ考えてしまって、心底嫌になるまで頑張ってしまった。こういうのがいけないんだなって分かっているけれど、「長女だから」の呪いはなかなか消えなくて「我慢が足りない」と言われ続けた呪いもなかなか消えなくて、つい極限まで我慢してしまう。どのようにそれを手放せばいいのか、わたしには分からない。



 小さい頃からずっと、空想の世界で生きることでストレスを飛ばしていた。だから物語を読んだ。それはわたしには大切なストレス解消法なのだ。

 それから、書くこと。

 わたしは書くことで、無意識下の自分の考えをようやく認識出来る。

 忙しく常に動いている脳内の思考を、書くことで整理出来る。


 だから、書き続ける。

 書いていないと、息絶えてしまう。


 家族に対する複雑な思いは、物語の中で描いていきたいと思っている。

 それは比喩的に描かれる。直接的には書かない。

 でもそうすることで、わたしは呪いを一つ手放せるのかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る