男尊女卑の思想

 思うに、わたしの世代は男尊女卑が女性の中に深く根付いている世代だ。


 先日、ママ友とランチをした際、「そう言えば、しまこさんのご主人、学校の役員やっていたわよねえ」「偉いわよねえ」「すごいわよねえ」と口々に言われた。

 いや、わたしもやっていましたが?

 何なら、わたしはPTAの役員をやっていたこともあり、クラス役員も地域の役員もやっていて、むしろわたしの方が大変では?

 仕事をして家事もやり、さらに子どものあれこれを全てやっていたのはわたしである。


 たった一回、しかもわたしに命令されて(!)役員をやった夫ばかりが褒められるのはなぜだろう? しかも「ご主人」!!!!!!!!!

 そもそも、「ご主人」という呼び名も好きじゃない。わたしは彼の奴隷じゃないし、対等の関係のはずである。(……「主人」という呼び名を使っている方、申し訳ありません。どうしてもどうしても好きではないのです。)


「イクメンだよねえ」「そうよねえ」

 そもそも、「イクメン」という言葉自体が男尊女卑を象徴するものである。

 なぜ、男が育児をすると特別に褒めそやされるのか。そこには、「育児は女性のやるべきこと」という思想が根底にある。

「イクメンだよねえ」と言われても少しも嬉しくないので、わたしは曖昧に微笑むのである。


 でも、いいのである。

 みなさんはその中で生きていけばいい。

 わたしはそうではないところで生きていく。

 わたしの大事な使命の一つに、「家事は女性がやるもの」「育児は女性がやるもの」という思想の男子を世の中に放流しない、というものがある。

 夫はもう仕方がないけれど、息子たちはそうであってはいけない。


 親に男尊女卑をぎゅうぎゅうと押し付けられて育ったので、どうしても男尊女卑の思想に触れると、過剰に拒否反応を示してしまう。


 新しい世代は、女性だからと差別されることのない世の中を生きていって欲しい。

 わたしも、自分の足で生きていきたい。

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