癒しに突然気づかされる
近所のパン屋さんで買い物をしたら、ケーキ屋さんを辞めた後の仕事について聞かれました。
そう、パン屋さんとケーキ屋さんは同じ商店街なのです。
わたしがどんなふうに辞めたのかも、ケーキ屋さんのオーナーサイドから聞いていることでしょう。とても嫌な気持ちになりました。
ただでも、パン屋さんでの話は、パン屋さんにパンを買いに来る次男くんについての話がメインでした。
大きくなったね、すらっと背が伸びたよね。
そうなんですよ。
なんて話しました。
パン屋さんを出て、突然気づきました。
たとえ、パン屋さんが私のことを悪く思っていても、次男くんはわたしの味方だって。
長男くんも「労基に行った方がいいよ」って本気で怒ってくれていました。旦那さんも、わたしのためにいろいろしてくれました。
わたしはずっと、そういう無条件の愛情が欲しかったのです。
彼らのわたしを思う気持ちが無条件の愛情かどうかは分かりません。
ただでも、いつだってわたしの味方でいてくれると確信しているのです。
そのことに気づいたのです。
本当は、そういう確信を、わたしはわたしの親から欲しかったのです。
だけど、叶いませんでした。
そのことを諦めるのに、長い時間がかかりました。
わたしは、息子たちにそういう思いをして欲しくないと言う気持ちが強くあったので、たぶん、息子たちに甘いし、いろいろしてあげ過ぎます。そして、いろいろしてあげること自体が駄目なのかもしれないとしょっちゅう反省しています。
わたしが正しい子育てが出来ているかどうかは別にして、長男くんと次男くんは、きっといつでもわたしの味方をしてくれると思いました(旦那さんは関係性が違うので、ちょっとおいておく)。
ケーキ屋さんでつらい思いをしたことも、長男くんと次男くんはちゃんと分かってくれていて、「辞めてよかったよ」と言ってくれます。
だから、これいいのだって思ったのです。
とても自然に。
わたしは、親から欲しくてどうしても得られなかったものを、自分の子どもたちにもらっているのです。
これはどういう幸せなのだろう?
群青色の空に浮かぶ、光る半月を見ながら、わたしは涙が出そうになりました。
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