頂き女子なるもの
パパ活で高額所得者並みに稼いでいたとかなんとか。
そんなの、今に始まったことじゃないのになあってわたしは思う。
わたしがまだ大学生のころ、「援助してもらっているひとがいるの」とかいう友だちがいた。彼女はちゃんとした家の子で、進学校を出て偏差値高めの大学に通っていた。でも、「援助してもらっているひとがいるの」と言っていた。
パパ活の記事を読むと「わたしの時間を使っているのだから、その分お金を払って当たり前」という台詞が出てきた。
うん、そうだよね。
と、わたしは思ってしまう。
だって、わたしもそれに似た思考をしている。時間をお金に換算した考えをする。
もっとずっと若いころ、男女格差が歴然と残っていて、ほんとうに腹立たしかった。男女差別もあって、殺意さえ抱いた。
その中でどのようにして生きてきたかというと、まずは外見を磨くこと。どちらにせよ「女の子だから」と不当に見られるのなら、外見を磨いて、少しでもきれいに見られて、それがプラスに働くといいと考えていた。
人間、見た目、とも思っていた。
見た目、というのは、もともとのつくりのことより、服装とか表情とか身だしなみとか、そういう総合的なこと。
そもそもさ。
内面を見て欲しい! ってさ、あなたどれくらい自分に自信があるの?
とも思っていた。
わたしは自分にそんな不遜な自信を抱けなかったので、見た目を磨いてみたのである。若かったし、頑張ればそこそこきれいになれたんだよね。
きれいでいると、いいことはいっぱいあった。
ごはんをおごってもらえたり、スキーに連れて行ってもらえたり。
すみません。
給料格差があるうえに、お化粧品や洋服や鞄や靴やアクセサリーにお金がかかるんだから、それくらい奢ってもらって当たり前! とか思っていました。
いや、実のところ、今でもそれは当たり前って思っている。だってお金かかっているんだもん。その、お金と時間をかけてきれいでいるわたしとごはんを食べるんだから、食事くらい奢ってよね? と思っていました。
……すみません。
あっ、彼氏とは割り勘です。
彼氏じゃないひとには奢ってもらっていたのです。
あっ、ごはん食べたりスキーやカラオケに行くだけですよ?
念のため。
そのようなわけで、頂き女子の言い分、分からないでもないなあと思いながら読んだのである。ついでに、「援助してもらっているひとがいるの」っていう友だちのことも。
ちなみに、その友だちは「ヨーロッパにそのひとと行ったとき、部屋を別々にしたら、めちゃくちゃ切れられちゃって」とか言っていたので、身体の関係はなかったものと思われる。いやあ、天晴れだねって思ってた。
でもわたし、同時に「そんなひとと旅行したくないなあ。自分のお金で行きたい」と思ったんだよね。
お金で縛られたくない。
そういう思いが強い。
それに、そもそも、めんどくさい。
「貴重な時間」だからこそ、そんなめんどくさいことに、しかも若くないと稼げないことに時間を費やしたくないと。やりたいこともあったし。だって、会うだけじゃなくて、いろいろやりとりするでしょう? そういうのが、そもそも無理。めんどくさい。
そのようなわけで、わたしの場合、「おいしいものを奢ってくれるひと」がいただけです。そのひとのことは友だちだと思っていました。奢ってもらっていたけど。スキーやカラオケは、成り行きで「お金はいいよ」って言われるのです。おかげで、毎週スキーに行ったりしておりました。
思い出した!
スキーに行くとき「お金はいいよ」って言われるから、お弁当を作ってみたことがあるんです。でも、それって誤解させる行動になってしまうのです。若かったわたしはそれに気づきませんでした。
ゆえに、お弁当つくったりはやめました。
そうだなあ。
頂き女子なるひとと決定的に違うのは、わたしはお金は絶対に要らなかったこと(物も要らない。もらったことない)、そして、「恋愛」要素は全く出していなかったこと、かな?
お金でこころは縛られたくない。
絶対に。
それはいまでもなお。
(だから賞金が欲しいんだよ! 賞金でなくても、年収を上げたい。)
お金は恋愛じゃないし。
恋愛って、もっとずっと密やかでたいせつなもの。
好きじゃないひとに好かれることほど、めんどくさいことはない。
あ、違う。
好かれてもいいけど、向かってこられるのはいや。
おいしいものを食べさせてくれるのはいいけど、それ以上はだめ。
逃げる。
大人になってから恋愛したとき、「好き」から始まる恋愛はしていない。
もっとずっと本能みたいなもの。
動物的な勘で、諸々把握し、ちゃんと線引きしていましたとも。
ときどき失敗したけどね。
パパ活って、需要と供給の問題じゃないかなあ。
一万円を一円くらいの感覚で使えるひとだけ、遊んだらいいんだよ。
「こんなにお金を使ったのに!」なんて。
お金でこころは買えないよ。
ホストも同じかなって、思ったところです。
「顔のいい男」にも「マッチョな男」にも、全く興味がなく、ついでにああいうお酒の場が苦手なわたしは、絶対にホストにははまらないなあ。
ホストにはまるひとには興味があるけど。
それは、ものすごく興味がある。
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