日本の教育は親の財力と知力で行われている

 わたしはもともと、学校というものをそれなりに信じていました。

 しかし、長男が小学校に通い始め、いろいろと問題が起き、学校でどのような授業が行われているのかをつぶさに見る機会を得て、思いました。

 これは、駄目だ、と。

 とりあえず、学校は勉強する場所ではない、というのが、わたしの結論でした。

 学校で勉強してくる、と思うと、猛烈に腹が立つので、全部家で教えました。

 そのようにして過ごしたわけです。


 長男は現在高校三年生です。

 通信制で単位取得して高校卒業する計画です。たぶん、高校は卒業出来ます。

 でも、大学は?

 最近増えている、総合型入試で行く予定です。


 これね、数年前からどのようなものが見ているのだけど、学校じゃ対応してくれないんだよね。いや、してくれるところもあるけれど、何しろ指導力がない。小論文での入試なんだけど、その小論文の赤入れが「全然だめ!」だけだったりするのです。

 どう直せと?

 要するに、小論文のことをよく分かっていない人が生徒の小論文を見ているのです。直しようもありません。


 塾にこれを頼むと、ほんとうにお金がかかります。

 そして、微妙な出来だ……というのが、わたしの感想です。


「ごめん、これ、わたしが直していい?」


 さらに、総合型入試は大学によって全然違うので、情報収集が必要です。

 これ、高校生に出来ると思いますか?

 大人が見ても見落としがあるので、複数人でのチェックが必要なんですよ。必要条件もさまざまだから、高校生だけでは難しいと思います。そして、もし一人でこなせる子がいたら、その子は優秀なのです。とてもとても、優秀なんです。優秀な子を一般論化しないでいただきたい。

 でも、恐らく学校はこの調べる部分はやってくれません。


 要するに、大学受験でも、親の財力と知力が必要になってくるのです。

 もちろん、高校受験でも必要ですよ?

 私立の高校なんかだと、親が説明会に出席すると、「ポイント」として加算されるそうですから。謎のシステムです。


 わたしは、日本の公教育は破綻していると思っています。

 個々人の先生の中にはいい方もいらっしゃいます。お世話になりました。

 でも、システムとしても公教育はもう終わりです。


 親の財力と知力がものを言うのです。

 

 しかし、教育にお金がかかりすぎて、本当にしんどいです。

 年収2000万円ないと、豊かに暮らせないのでは? と想像します。2000万円でも足りないかもしれないです。何しろ、税金が高すぎますから。


 今は高校辞めても通信制があっていいよね、という意見もあるでしょう。

 いいですね、選択肢があって。

 だけど、通信制もいろいろあって、ただの通信制の場合、子どもはずっと家にいるのですよ。それを誰が面倒みるんですか? 母親? 生活の乱れを、どう正していくのですか? 母親の責任? 課題を出すとか出さないとか、それ、誰がチェックするのですか? 母親?

 ほうっておけばいい。

 でも、ほうっておいて、「高校卒業」得られなかったら、またお金がかかりますよね? 誰が払うの、それ。

 子どもがバイトして払えばいい、という意見もあるかもしれませんね。でも、高校までの学費くらい、親が払うものかと思っておりました。高校って、社会的義務のような場所ではないですか。

 うちの場合、受験を目指すコースにしたので、塾と連携して行えます。よかったです。

 でも、そこにはまたお金がかかるのです。

 とても高いです。


 このようにして、真面目に子育てしてきた結果、まともな働き口はなくなるのです。フルタイムで働いていればよかった? ええ、でも、わたし、妊娠重いんです。出産は三日かかったし。その後は、睡眠時間は細切れで、まともに眠れない期間が八年ですよ。そうして、小学校トラブルが多く(先生にいじめられていたのです!)、長男も次男もわたしが全部勉強を教えました。

 分かりました。

 その上で、フルタイムで働いていればよかったんですね?

 眠る時間はどこにあるのでしょう?

 ああ、分かりました。

 眠る時間なく、自分の時間もなく、そうして子育てをすればいいんですね?


 誰もたすけてくれないですから。


 基本的人権って、どういう意味だったかしら?

 ああ、分かりました。

 母親には基本的人権はないんですね。

 ええ、よく分かります。

 奴隷ですから。

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