離婚届けをもらってこようと思った日

 実は、夫の父が亡くなりました。

 ずっと闘病生活をしていたので、わたしの中では「ああ、ようやくね」という感じでした。


 すみません。

 わたし、きっと大変酷薄なんです。

 全然悲しくありませんでした。

 随分前に、当時つきあっていた人が「俺、きっとサイコパスだと思う」と言っていたことを思い出しました。わたしもサイコパスなのでしょう。全然悲しくありません。

 

 数えるほどしか会っていないし、数えるほどしか話していません。

 夫の父親で遠方に住んでいるから、そんなものでしょう。

 しかも、今現在、夫との関係性は全くよくない状態です。

 どのようにして泣いたり悲しんだり出来るのか、わたしには分かりませんでした。


 住んでいる場所が異なるので、葬儀の風習が違います。

 夫に聞いても「よく分からない」とのこと。

 なんでも、葬儀場に泊まるとか。

 すごく嫌でした。

 わたしはホテルに泊まりたいし、遠距離(関東→四国)を移動して、着いたとたんに誰かに気を遣って話せる状況ではありませんでした。そもそも、ずっと体調悪かったし。ずっとアレルギーが出ていたし頭痛もひどかったのです。夜もよく眠れないし。

 何度も確認しました。

 着いてすぐ、ゆっくり出来るのか、と。

 出来るよ、と夫は言いました。


 だから着いてすぐ、ちょっと挨拶をした後、わたしは小部屋に行きました。

 鍵もかけられない小部屋で、しかも開けたらすぐに親類がいるような部屋で、全く落ち着きませんでした。でもまあ仕方がないのでそこにいました。


 でも、結局、そういう態度を「常識がない。きちんと挨拶をすべきだ」と、夫の妹に言われました。それから、闘病生活を支えなかったことに対しても文句を言われました。すごく怒っているそうです。謝ってと夫に言われました。


 わたしは謝りませんでした。

 だって、わたしは悪くない。

「常識がない」と言われようと、体調不良の中遠距離移動して、もうへとへとだったのです。

 わたしはずっと泣いていました。




 もうね、行かなければよかったです。

 体調悪かったけれど、無理して言ってそんなことを言われるくらいなら。

 そもそも、かなりの遠距離で、どうやって闘病生活を支えろと?

 正直、お金がありません。

 今回も、移動して宿泊して(二日目はホテル)、たぶん、30万円くらいかかりました。一人でも行かなかったら、もっと安かったのに。

 生き死にのことだから行ったのです。

 ええ、すみません。

 冷酷です。

 全然悲しくありませんでした。

 義理です。

 すみません。

 

 闘病生活に関しても、何もしなくていいと夫は言ったけど、嘘だったのでしょう。

 着いてすぐは少しゆっくりしたいとも何度も確認したけど、それで怒らせたように。


 仕事を休んで、ケーキ屋さんには嫌味を言われ、自営業も休んだらその分マイナスで、正直、けっこう収入もマイナスなんです。有休が出る仕事じゃないので。

 そんなこと考えたら駄目かもしれないけど、お金がない生活で、今からお金がかかる時期のときに本当に手痛い出費です。しかも行って、「常識がない」「闘病生活、何もしなかった」などと言われるのです。





 すみません。

 今からひどいことを書きます。

 その妹さん、結婚はしているけれど、子どもはいません。

 子育ての大変さって、分からないのだと思いました。

 長男が高校を辞めたりしていて、正直、他のことなんて考えられない状態なんです。そういうのって、きっと分からないんだと思います。

 わたしには、死んでいく人よりも、生きていく子どもの方が大事だったのです。





 結婚しなければよかった。

 今すぐに死にたい。

 わたしは、死ぬことが出来た人が羨ましかったのです。


 わたしは、わたしが死にたかった。


 ただでも、死体の処理とかいろいろ困るなあって思いました(自分のね)。

 わたしはわたしが死んだら、「おめでとう!」って酒盛りでもしてくれたらいいのだけど、死体は腐るしねえ。

 

 とりあえず、お葬式をしないで死体をどのように処理出来るのか。

(お葬式をした方が安いのか、とか。つまり死体処理にいくらかかるのか。)

 それから、共同名義になっている土地や建物について、どうやったら名義変更出来るのか。

 市役所に行って聞いてこようと思います。

 前回死にたいと言ったら、夫に「共同名義になっているから、相続税払えなくて困るんだけど」と言われたので。そこ、生命保険で払えるような気がします。



 昨日本屋さんで「エンディングノート」なる言葉を見たので、それを書いてみようかと思っているところです。



 とりあえず、離婚届に記入すると気が晴れる気がするので、まずそれをしたいと思っています。

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