「おねえちゃんだから」という呪い

 ずっと「おねえちゃんだから」と言われ続けて育ちました。

「おねえちゃんだから」弟や妹に譲らなくてはいけない。

「おねえちゃんだから」我慢しなくてはいけない。

「おねえちゃんだから」ケンカをしたらすべて「おねえちゃん」がいけない。


 でも理不尽だと思っていたので、たくさん反抗をしました。

 ゆえに「我慢が足りない」「我が儘だ」というレッテルを貼られたし、あんまり言われ続けたので、自分でも我慢出来ない我が儘な人間だと思っていました。

 すごく好きだった人に「ものすごく忍耐強いし我慢し過ぎている」と言われるまで。

 目から鱗でした。


 思うに、奴隷体質なのは、親からの刷り込みなのです。

 ものすごく永い間(そしてたぶん今も)「我慢が足りない」「我が儘だ」と言われているので。

 それから、「お前にはいいところはない」と言われたのも衝撃でした。ずっとこころに刺さっていて、抜けませんでした。

 弟は「勉強が出来るいい子」、妹は「社交的で友だちが多い、いい子」。

 わたしは、「おねえちゃん」なのに、「我慢ができない、わがままな子」というポジションでした。





 ということを、何度も思い返して、そして蓋をして鍵かけてしまっているのです。

 でも、ときどき開いちゃいんだよね。

 料理しても自分のだけど洗濯しても、「家のことを何もやらない」と言われていたし、お弁当は高校生から作っていたし妹のも作っていたんだけどなあ。

「お前はほんとうに何もやらない」と言われ続けていて、もっと何かやらなくちゃいけない気分にさせられていたのです。



 でも、親はそう言ったことを、たぶん、覚えていません。

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