うちの子、漫画も読まないんです

 いや、別に読まなくてもいいのではないでしょうか。


「本を読む子にしたい」という悩みです。

 漫画は読書に入るのでしょうか。

 わたしは入らないと思います。

 漫画は好きですし、読みます。でも「読書」って、文字だけで書かれた本のことだと思います。


 息子たちが小学生になって、カドカワつばさ文庫をたくさん買うようになりました。ちょっと読んでみました。

 ああ、これ、文章だけだけど、中身は漫画だなあ。

 というのが感想です。

 むしろ、これは読書に入るのだろうか? とちょっと悩んだくらいで、西家では「あれは漫画だよね」扱いでした。あ、でも、対外的には「読書」に含めておりました。


 読書って娯楽だと思うのです。

 本をたくさん読んだからと言って、国語の力は上がりません。生きるための力はつくと思うけれど、それはどんな本を読んでいるかによって違うし、流し読みしていたら読解力はつかないと思う。

 でもそんな難しいことを考えず、「おもしろいから読もう!」でいいと思うのです。

 そうすれば、自然に、必要なときに必要な本を手にとるようになると思う。

 合間合間に「こんな本がこういうふうにおもしろかった」という、家族の会話があればいいのではないかと思います。


 漫画も娯楽です。

 少し前は「漫画ばかり読んでいては駄目だ」だったのに、いつの間に漫画の地位がこんなに上がったのでしょう?

 不思議。


 漫画と小説は、やはり楽しみ方が違う。

 小説の方が、ずっと想像力が働く。高く遠くへ、飛んでいく。

 そういう楽しみ。

 行間を読む楽しみ。

 こころに突き刺さる表現に出会うよろこび。

 生きるということが、豊かになる。


「うちの子、本を読まないの」

 といううちは、たいてい大人も本を読みません。

 そもそも、家に本がありません。

 

 強制されたら、何事もおもしろくないよね?

 大人が画面ばかり見ていたら、本を読む子にはならないと思います。

 


 これは研究したわけでもなく、たんなる感覚ですが、webばかりで文章を読んでいると、読解力は落ちると思います。また、読む速度も落ちると思います。

 webの文章は熟読精読しづらい。上滑りしやすいです。

 国語力は斜め読みでは身に付きません。熟読精読が必要です。

 また、webでは一度に目に入る文字数が少ない。だから、速く読めないのです。

 とにかく、文庫本の見開きのページを一度に目に入れてから読む方が、速く読める。そもそも、三行くらいなら見て読んでいる(映画の字幕とか一瞬見るだけで理解している)。

 それから単純に、webは目が疲れる。

 だから、文庫本一冊読んでも目が疲れないのに、同じ文字数webで読むと、目がちかちかする。ゆえに、たくさん読めない、ということもある。或いは、正しく理解しようとする集中力がそがれる。



 読解力の調査を誰かしてくれないかなあ。

 生まれたときから、webで文章を読んでいた世代とそうでない世代との、読解力の差が知りたい。



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