「我慢が足りない」と「忍耐強い」

 わたしはずっと親に「お前は我慢が足りない」「我が儘だ」と言われて育ちました。だから、自分でもそう思っていました。

 わたしは我慢が足りない。我が儘なんだ。

 もっと、我慢しなくちゃ。我が儘を言っちゃダメなんだ。


 あるとき、すごく好きだったひとに言われました。

「しまこちゃん、忍耐強いよ」

 そのとき初めて、自分が我慢し過ぎること、頑張り過ぎること、そしてそのために、ときどきキャパシティーオーバーしてパンクしてしまうことに気づいたのです。


 それは、恋愛にも現れていて、なんていうか、限界まで我慢してしまう。限界を越えて、ついうっかり尽くしてしまう、ということをしてしまうのです。

 だって、我慢が足りないから。我が儘だから。


 その、すごく好きだったひとに「ほんとうに我慢強いよ。そういうところに甘えてごめんね」という主旨のことを言われ、なんだかほっとしたのです。



 親の刷り込みってこわいね。

 わたしはね、だからね、すっごく困ったときには絶対に実家に行きません。

 自分の精神状態がいいときでないと、行けない。

 

 もうこれ以上、傷つきたくないから。


 いろんなことを諦めて、ようやくちゃんと諦めたのだから、もうこころの中の箱は開けたくないのです。

 まあ、ときどき開いちゃうけどね。



 そんなわけでね、やっぱりいまでもついうっかり、頑張り過ぎるのです。

 でも、そんなわたしも自分だから、パンクしなければいいことにしているの。

 自分で自分をぎゅってしてあげている。


 だからね、だいじょうぶなんだよ。

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