スマホで読書

 スマホで読書も悪くない。

 しかし、スマホのみで読書していると、国語力は下がると思う。

 あくまでも「のみ」がつきます。そして、個人的な見解なので、読み流してください。


 スマホで漫画が読めるようになったとき、読みにくい! イライラする! と思った。それは、子どもの勉強を見ていたとき、見開きのページをなぜか半分に折って読んでいたときのいらだちに似ていた。

 そう、わたしは、まず見開き映像を脳内に一度入れてから、読んでいくのである。絶対にそうである。だから、見開きページで読まないといらいらするし、「遅い!」と思ってしまうのである。それは、漫画だけでなく、小説や評論でも同じ。見開きでまず、脳内に入れる。

 だから、文章から何かを探すのも得意だ。

 流し読みをして、ひっかかるキーワードを察知する。

 この「最初に脳内に入れた文書を流し読み技術」は何かを素早く把握するに役立つ。

 スマホで読書しているときは、単に流し読みになってしまう。ざーっとスクロールするから。スピードが求められている気もする。その場合、「まず全体を脳内に入れてから読む」というステップなしに、流れるように読むので熟読とか精読がしにくくなる。


 熟読とか精読という読み方が出来ないと本を味わうことは出来ないような気がする。試験対策的に言えば、熟読精読なしに読解力はつかないし、テストで点は取れない。国語のテストは「何が書かれているか」を問うものだから、そこでは精読の力が問われている。


 国語力というのは読解力記述力のことで、読解力には熟読する力、精読する力が必要になると思う。そして、国語力の意味するものには「物語を味わうこと」「評論を読んで思考すること」も含まれているはずだ。でも、スマホでのみの読書だと、スピードだけが重視されて、熟読とか精読とか、そういう力は身につきにくい気がする。したがって、「味わう」とか「思考する」ことも身につきにくい。

「味わう」とか「思考する」というのは、同じ文章を何度も読んだり、時に読むのをやめて本を伏せて考えたり、或いはまた前のところに戻ったりすることで出来ることではないだろうか。それには熟読とか精読の力が必要だと、わたしは思う。


 スマホで読書では、なかなか「同じ文章を何度も読む」ことや「前に戻ること」がしにくい。それに、最初に見開き文章を脳内に入れるということがしにくいので、「全体を把握してから、じっくり読む」ということが出来ないわけである。少なくともわたしは。

「スマホで読書」としたけれど、パソコンも同じかな、と思う。

 読むだけなら、文字数の大きさや手軽さを考えると、実はスマホの方がしやすい。パソコンは画面が大きく文字も大きいから、一度に脳内に収納出来る文字数が少なくなる。


 まあ、とは思うのだけど、新しい時代を生きる若者は違うかもしれない。

 あくまでも、紙媒体で育った人間の戯言である。

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