第3話
「可奈子さん」
ソイスは可奈子の名前をボソッと
つぶやいた。
「何してたの、ソイス。式に間に合わなく
なっちゃうじゃない」
「式?」
「わたしたちの結婚式よ。いまさら何
いってるのよ」
可奈子が笑った。
ボクは困惑した。
「どうして」
「あなた、日頃からわたしと結婚したいって
思ってたでしょう? だからゴッドが
その願いを叶えてくれたのよ」
「ゴッド」
「その名の通り、神様よ。すべてをコントロールし
支配しているお方」
「そんな人いるわけが」
「じゃあ、この結婚式は何?」
「それは」
「すべて神様のセッティングなのよ、これは」
そこまでいうと、可奈子はまたニッコリと
微笑んだ。
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