第53話 やったねぇぇ!迷子だよぉぉ!
「やば……やばくない? このエリア。さっきから行き止まりばっかに当たるんだけど」
コメント
・世迷が方向音痴なのもあるけど、なんか嫌に入り組んでんな
・ずっと真っすぐだったのにいきなり分かれ道か……
・棒立てて転がった方に行けば?
「確かに。こういう時は勘で行くのがダメなんだよね。これ、僕の勘です」
コメント
・ダメじゃねぇかw
・即落ち2コマやめろ
・せめて経験則と言えwww
・発言に整合性無さ杉ィ!
・《ユキカゼ》助けになると思って地図を作ってるけど、多分この階層は道が変化していってる
・《ARAGAMI》そのようだね。今層のコンセプトはピラミッドだ。侵入者対策の一環としての装置だろう
・《Sienna》まあ、こういう場合は一個だけ正しい正解ルートがあるのがセオリーね。根気強く進んでルートを見つけるのが最適解よ
なるほどね。
上位勢の方々の意見は非常に助かる。
だって、現に僕は道が変化してることに1ミリも気づいてなかったし。リスナーも気づいてないみたいだし仲間だね!
コメント
・なんか怖気が走った
・なんか虫唾がランニングするな……
何も言ってないんだけど?
……まあ、道が変化してるならやることは簡単。
「よし!! 棒が転がった方向に進もう!!」
コメント
・話聞いてた?
・なんも変わってねぇじゃねぇかw
・《Sienna》はいはい予想通り
・諦めとるwww
「いや、待ってよ。結局進むしかないんでしょ? どうせ闇雲に進むんだから棒で決めた方が良いじゃん。楽しいし」
知らんけど、多分適当に進み続けて道が変化するパターンとか計算しながら見つけるんだと思う。
アレがこう動くからコレがこうなって……みたいなね。
「よく考えてみてよ。──僕が道が変化するパターンとか計算できると思う? 無理でしょ。馬鹿じゃないの、まったく」
やれやれだよ、と僕は頭を振る。
コメント
・何で俺ら怒られてんの?
・分からん
・無知の『知』すら無いぞお前。ムチムチじゃねぇか。何言ってんだ俺
・コメ欄に世迷化してるやつおるwww
・草
・《ARAGAMI》まあ、そこら辺の計算は任せてくれ。ユキカゼが何とかする
・《Sienna》どうせ無理なんだから任せた方が懸命よ。ユキカゼとかに
・《ユキカゼ》え
・無茶振り始まってるしw
いつものように頼るのは微妙に心苦しいけれど、僕じゃどうしようもないのが本音。
知識不足だし、今来た道ですら思い出せない記憶力。どう頑張っても無理だよね。
「ユキカゼさん、お願いします!!! 面白いもの見せるので!!!」
コメント
・《ユキカゼ》いや私は面白いもの望んでない……
・本音で草
・唯一心底心配して応援してるもんなw
・むしろジッとしておいて欲しいと思うw
・《ARAGAMI》なに!?!?面白いものだと!?!
・愉快犯食いつくのが早ぇな
・お前は世迷が何しても喜ぶだろ
……あれ?
僕また何かやっちゃいました?
そんな冗談はさておき、僕からユキカゼさんに返せるものなんて無いんだよなぁ。
エンタメ性は別にユキカゼさん望んでないし、というか僕だって全部が全部エンタメ意識して行動してないよ!?
物事の9割を本能で生きてる僕を舐めないで欲しい。
コメント
・《ユキカゼ》どのみち、頼まれなくてもやる
「ユキカゼさぁぁぁん!!!! ほら見てよリスナー!! 見返りいらないって!! 見習おうよ!」
コメント
・見習ったところで俺らの提案蹴るのお前じゃんw
・大した提案してないんだよなぁ……
・良心が痛まなくてごめんな
ひどい。
いつものリスナーのコメントが突き刺さるけど、何の苦痛にも感じてないのそろそろマズイかもしれない。今更か。
「ま、というわけで……棒……棒……腕……? いや、さすがにグロいか」
コメント
・『世迷』腕……?『俺ら』腕……!?!?!?
・腕……?じゃねぇのよw
・選択肢に四肢を入れるな
・ちょっと待てぃ!
・《Sienna》うわぁ……
・ドン引きしとるがな
「いや冗談だって、さすがに」
そんなことはしない。
だって18歳以下は見れなくなっちゃうし、自発的にネタのために腕を取るのは色々とマズイ。
でも、棒と言えるものが特に無いんだよね。
「あ、松葉杖。そっか。このためにあったんだ」
コメント
・いや違ぇだろ
・間違った使い方をした人間として間違ってる世迷に呆気なく捨てられた松葉杖くんじゃないか!!
・アレ再登場するのか……
・まさかの演出にワクワクするな
・《ARAGAMI》なるほどそう来たか。予想外だ。さすよま
・愉悦人はよう満足しとる
・まるで棒が思いつかない作者が唐突に読み返して気づいて登場させたみたいな感じだな
・雪山で使われた松葉杖くんか……
僕の思いつきにコメントが大盛り上がりする。
どうして松葉杖でこんなに盛り上がってるの……? まあ、秒で捨てちゃったし、使い所がなくて困ってたのは本当。
何だっけ。アラガミさん曰く、ショップは望んだ品を出すとか言ってたけど、どれも望んでないものばっか。でも、必ずいつか役に立つんだよね。
どうしてだろ。……まあ、いっか。
「よし! 松葉杖くん召喚!! うん、良い形!」
コメント
・腋窩支持クラッチ!腋窩支持クラッチじゃないか!
・腋窩支持クラッチか。良い形してるじゃん
・なぜに急な専門用語
なんて読むんだろ。まあ良いや。
「はい、最初の分かれ道はどっち!!! ──うーーーん、右!!!」
松葉杖くんの指した方向は右だった。
松葉杖くんが言うなら間違いない。支えることに関して右に出る者はいないもんね。
ぶん投げて捨てた過去は忘れて僕のために是非とも頑張ってほしい。
「なんか行ける気がする」
コメント
・唐突
・ほな無理か
・それは勘?
「勘」
コメント
・尚更ダメじゃん
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微妙に遅れました。三月分です。
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