第52話 やったねぇぇ!消し飛ばすよぉぉ!
「いや、違くて。つい心の声が漏れちゃっただけだよ」
コメント
・それを本音と言わずして何と言う
・何も違くねぇじゃねぇかw
・腕食われすぎて壊れたんか?
失礼な。
僕だってただ何かの慈悲とか、いきなりおかしくなったわけじゃなくて、これには途轍もなく深い事情があるんだ。
「だって、コブが二つあるじゃん」
僕はウネウネとコブの口から舌を生やすラクダくんを指差す。
コメント
・え?
・おん
・それがどうしたんよ
「一つだけに食べさせるの何か気持ち悪くない?」
コメント
・お前の思考がな
・食べさせたわけじゃねぇだろw
・なんでいきなり地味な完璧主義を掲げるんだよ
・気持ち悪いねぇ。お前が
分かってくれないかぁ……。
なんだろう。確かに命を賭けてるこの状況で、言葉に表せない気持ち悪さを優先するのは狂ってると思うんだけど……あるじゃん。
片方だけ手が汚れてるけど、両方の手を洗わないと気が済まないとかさ。同じだと僕は思うんだ。多分。
「でも、これだけ近づいても触らなければ襲ってこないみたい。会う度に殺意剥き出しにしてきたスノラビくんと比べて平和だね」
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・殺意芽生えさせたのお前やろ
・物事を悪化させる天才は黙れ
・平和…………?
・平和ってなんだっけ
・【ARAGAMI】接触が条件のモンスターは幾つかいるが、このラクダの場合は、接触及び害意だろう。君が500階層で使った、物を間に挟むことで接触せずに倒すことは恐らく不可能だ
「ぬぐっ」
それを使って倒そうとしていた矢先に、アラガミさんから事前にストップが入った。
確かに害意も条件に入ってるなら、頭を食べられて僕の人生は終わるし、このラクダの攻撃パターンが分かってない内に攻撃を仕掛けるのは危険だ。……まあ、攻撃パターンが分かってもそれを生かしたことないんだけどね!
コメント
・良いタイミングで釘刺されとるw
・やろうとしたのか()
・【Sieena】どうせ一時期だけ情が湧くのだから、さっさと一撃で消し飛ばせば良いじゃない
・世迷の性格を熟知してるな、6位
・世迷マスターの称号をあげるか
・【ユキカゼ】ぐぬぬぬ
・【Sieena】いや、やめて。マジで
「確かにそれもそうだね。さすがシエンナさん! 僕より僕のことが分かってるかも」
冷たいように思えるシエンナさんだけど、何だかんだいつも良いアドバイスをくれるし、いない時は無いと言えるほどに配信に常駐してくれる素晴らしい人だと思う。
今までに来た道のりだって、ユキカゼさんをはじめとして、トップ配信者の人たちがいなかったら普通に死んじゃってる。
一般リスナーくんは見習って欲しいね、うん。
感謝してないわけじゃないけど……。
「じゃあ登場して早々悪いけど君には退場して貰おう。じゃあね【一魂集中】」
触れてから発動すれば、その前にコブに腕を食べられてしまう。だから僕は、触れた瞬間にスキルが発動できるように姿勢を整えて、スキルを撃ち放った。
何の力も籠もってない僕のへなちょこパンチがラクダくんの頭に当たると、一瞬にしてラクダくんの頭が消し飛んだ。
「お、レベルが上がった気がする!!」
コメント
・なんかヌルゲーになったな
・ちょっとムカつくよな。順調だと
・【ARAGAMI】それな
「君らがそんなことばっか言うからフラグが立って、大概僕の腕が吹き飛ぶんだよ」
コメント
・腕が吹き飛んでんのはいつものことだろ
・フラグ立ててるの結局お前なんだよなぁ……
・例えワイらがフラグ立ててたとしてもフラグ悪化させてんのはお前やぞw
……否定できないのが悔しいなぁ。まあ、リスナーくんが立てたフラグを面白おかしく茶化してるのは事実だけどさ。
「まあ、僕の成長くらい普通に祝ってよ。どうせ成長したところで紙防御には変わりないんだから……」
僕は自分で言ってて気分が落ちた。
捨て身とかいうスキルのせいで僕の防御力は一生上がることがない。防御力を底上げできそうな重量のある装備も捨て身のスキルで身に着けることができない。
本当にこの身捨ててる件。
コメント
・自虐助かる
・わー、おめでとー(棒)
・捨て身スキルワロタ
・そういえばそんなスキルあったな
・世迷といえば紙防御だから違和感無かったわw
まあ、その代わりに強力な【一魂集中】ってスキルもゲットできてるし、イーブンでしょ。命が軽いことを除けばね。
「よし、じゃあやる気出して先に進もっか」
僕はラクダくんの落とした水色の魔石を拾って、通路を進み始めた。
コメント
・【ARAGAMI】ん?水の魔石か。珍しいな
そんなアラガミさんのコメントを見逃しながら。
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