第51話 やったねぇぇ!ラクダだよぉぉ!
「にょきっ」
コメント
・さも当然のように真顔で足を生やすな
・人間として大事な機能徐々に失ってるぞお前w
・にん……げん?ではないな、うん
・お前も落ちることに慣れすぎだろw
落ちた先は、懐かしい一階層みたいな雰囲気の場所だった。ただ一階層と違うのは、壁の色がオレンジっぽくて、足元に砂があること。
砂漠特有のダンジョンなのかな? これが休憩所とは思えないし、ダンジョンの延長線上なのかもしれない、多分。僕の予想は9割外れるからね。僕自身も信用してない。
「なんか一番ダンジョンっぽいかも」
コメント
・確かに
・《ARAGAMI》砂漠のダンジョンか……。確証は無いが、地上で遠目に建物のようなものが見えた。あれがもしピラミッドのような建造物であるなら、そこに繋がっていてもおかしくない。案外近道ルートの可能性もあるな
・そんなの見えたっけ
・スキルかなんかじゃねぇと見えねぇだろw
「はえー。まあ、砂漠といったらピラミッドだしね。これまでもなんかコンセプトみたいのあったし、ここもそうなのかも。ほら、狼くんは神話がモチーフだったじゃん?」
もうエピソード忘れちゃったけど。君のことは忘れなくても詳しいことは忘れるよ。ごめんね。
コメント
・マグマ、雪山、砂漠と来たら、まあ何かしらあってもおかしくないわな
・《Sienna》ピラミッドがモチーフだとしたら、大量の罠がある可能性も否めないわね。実際のピラミッドで罠は無いけれど、ダンジョンの性質上、実際に無かったものをあったものとして補完するかもしれないわ
「……なるほど? 保管ね、保管」
コメント
・こいつ絶対分かってないだろw
・バカを晒す前に白状しとけ
・もう晒してんだよなぁ……
・《ユキカゼ》二次創作みたいな感じ。もし、あのキャラクターがこんなことをしていたら、みたいな
「理解! さすがユキカゼさん!」
なるほど二次創作みたいな感じね。
要はIFの世界をダンジョンで再現してる……的な感じかな。知らんけど。
コメント
・バカを把握した上で分かりやすく説明するとはやるじゃないかユキカゼ
・実際バカを理解すんのはムズいからな。だってバカだし
・バーカバーカ
「バカバカうるさいよっ! てか、普通に罵倒してる人は最早趣旨が違うからね!?」
バカなのは事実でもある程度突きつけられると……うん、何も感じないかも。罵倒耐性くんが仕事してるのは有難いけど、リスナーの罵倒に怒れなくなったらそれはそれで終わりだと思うんだ……。
「まあ、僕に罠を回避する手段は無いんだけどね」
コメント
・全部受け止めて回復すりゃ良いだろ
・肉壁特攻の出番だな!
・ゾンビアタックだぜ!
・お前の選択肢に回避は用意されてねぇ
・◆こうげき ◆にげる ◆回復 以上!
「君たち僕に不可能が無いとか思ってない?」
コメント
・いや不可能しかないだろ
・最初から不可能なんよ
・可能だと思って行動したことねぇだろ
「それは確かに」
コメント
・認めるなよw
・しみじみと頷くなw
まあ、実際今まで不可能だと思ってきたことを、リスナー……じゃなくて、ユキカゼさんとかアラガミさんとかシエンナさんに助けられて今がある。それは僕一人じゃ不可能だったことだ。
不可能を不可能のままにしない。それが僕のモットーなんだよね。ちなみに今考えた。
「じゃあ、今回も不可能だらけの探索やっていくよー!」
コメント
・言葉の重みとテンションが釣り合ってないんよ
・可能にしろよw
僕はそんな宣言をして、歩き出す。
砂漠エリアはめっちゃ暑かったのに、ここはそんなに暑くない。むしろ涼しい?
同じ階層でも暑さに違いがあるんだ。上で進んでたら暑さでバテてたかもしれないし、今となっては落ちるのが最適解な気がしてきた!
「壁に意味深な文字があるけど、どうせ読めないから飛ばします」
コメント
・おい
・《ARAGAMI》目に見えるヒントだが、生憎と私も文字に関しては専門分野ではない
・《Sienna》知り合いの探索者に考古学者いるから適当にぶん投げとくわ
・《ユキカゼ》読めない……
・6位だけが人脈を信用できるな
・他は……うん、お察し
・《ARAGAMI》私はボッチではない
なんかコメント欄で静かな論争が始まってるけど放っておこ。
僕はシエンナさんにサラッと感謝を伝えて、歩き続ける。またまたモンスターは全然出てこない。
まともにモンスターが出てくる階層が今のところ無いんだけどどういうこと? スノラビくんも数えるほどしかいなかったし。
誰かが言ってたように階層が進めばモンスターの数が少なくなる、って説もあってるのかもしれないね。
そうして歩くこと数分。
僕は行く先に何かを見つけた。
「ん……? あれラクダじゃない?」
コメント
・ホンマや
・どこからどう見ても普通のラクダやな
・モンスター?普通に動物っぽいが
ラクダ……ラクダ!!!
ラクダだ!!
「わぁ! 僕、ラクダ初めて見た! あれに乗るのが昔の夢だったんだよね!」
僕は急いで駆け寄る。
逃げるかと思ったけど、ラクダはのほほんと緩い瞳で立ち竦んでいた。近寄っても逃げないし、襲ってこない。
ダンジョンに普通の動物がいるとは思えないし……。
「何かのギミックかな? 乗れば分かるかも」
するとラクダは、まるで乗ってくれと言わんばかりに態勢を低くした。
コメント
・また無警戒だなこいつ……
・普通の動物がいんのはあり得ないけど、ギミックならまあ……納得はできるか
・問題はなんの根拠もなくギミックと判断してるバカがいることだな
「まあ、落ち着きなよ。こんな至近距離にいても襲ってこないモンスターなんて……いないこともないけどスノラビくんは特殊だし、基本モンスターって殺意がすごいじゃん。どこからどう見てもラクダくんは無警戒だし大丈夫」
僕は得意気に語ると、ラクダくんのコブに手をかけた────瞬間、コブがパカッと開いた。
「あ、口か、これは失礼──いってええええ!!!! それは予想できないってえええ!!!」
コメント
・ワロタwww
・鑑定しろとあれほどw
・《ARAGAMI》静観してたがやはりこうなったか(笑)
・楽しそうだな2位
・《Sienna》まあ、でしょうね、としか。ザマァw
・おい、漏れてる漏れてる本音
・《ユキカゼ》ちょっと画面から目を離した隙に世迷くんの腕がまた消えてる
・草
「君たち落ち着きすぎじゃない!?」
とは言いつつ、僕も冷静に片手曲芸ポーションで回復する。せっせこと距離を稼いで、二つのコブ(口)から牙を剥き出しにするラクダ(?)くんを見る。
相変わらず本体の方の表情はのほほんとしている。
「ていやっ! 【鑑定】っ!」
ーーーーーー
種族 フェイク・ザ・キラーハンプ
Lv.999
ーーーーーー
「ふぇいくざきらーはんぷ……ふむ」
コメント
・種族名まんまじゃねぇか
・つーことは、ラクダの方じゃなくてコブが本体じゃね?
・それはそれでキモいなw
・初手乗ってたら世迷の世迷が危なかった可能性
・草
「どうしよう……」
コメント
・何が?
・倒せばええやん
「片方食べさせたら、もう片方にも食べさせないと……不公平じゃない?」
コメント
・何言ってんだコイツ
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長らく(半年と少し)お待たせいたしました。本当に。いや、本当に本当に本当に。
多忙&展開に悩みに悩み時間を空けてしまったことをお詫びいたします。
お詫びに世迷の腕をご査収いたしますので、そちらで許していただければと。
(※更新は不定期ですが間は空けないようにいたします)
【お知らせ】
1、マガポケ様の方で1/14から(もう過ぎてる)連載が開始されています! そちらの方から来た方もちょこちゃこ見ておりますので、是非原作の方もお楽しみいただければと!
2、原作の方が、書籍として3月1日に発売されます!
レーベルはKラノベブックス様です!
よろしくお願いいたします!
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