山荘での事件

その日は、ひどい嵐だった。


 私の趣味は1人旅だ。今日行く山荘はネットで評判がすごく良かった。

この山荘は山の中腹の吊り橋の先にあるすごくミステリアスな雰囲気があった。


私が山荘に着くとそこには、男女6人組の大学生グループがいた。

「この山荘めっちゃ雰囲気あるよね〜」

「だろ!ここネットとかにもあんまり乗ってなくて山荘通の間でしか知られてないんだぜ!」

「山荘通ってなんだよ〜、吊り橋の先にある山荘って何か起きそうだよね。」

そんな、会話を横目にわたしは山荘に入って行った。


山荘に到着して自室に入ると私は長時間の運転の疲れからかすぐに眠りについた


夜、夕食の時間になった。

夕食には、私のほかに大学生グループと夫婦、そして黒いズボンと黒いセーターを着た怪しい男がいた。夕食を済まして少し共有スペースでゆっくりしていると外に出ていた大学生が焦って入ってきた。


「大変だ!外の吊り橋が燃えてる!!」1人の男子大学生が走って入ってきた。

「な、なんだって!!」山荘のマスターが大きな声を出して見に行った。


私も気になって見に行ったら、確かに吊り橋は燃えていた。

「この時間違うルートで山を降りるのは危険だ」

つまり、今晩我々がこの山から降りることができない。


山荘に戻った我々は今回の出来事を話していた。

「こんなことが起きるなんて」

「まるでミステリー小説みたい」

「誰がこんなことをしたんだ」

すると、黒い服を着た男はゆっくりと語り出した。

「5~6年前、近くにある刑務所で殺人犯が脱獄してこの山に逃げ込んだらしい。

その脱獄犯は今までずっと見つかっていないらしい」そう言い終わると周囲が少しの沈黙が続いた、


沈黙を破ったのは、大学生グループの女の子だった。

「そんな、危険な人がうろつく山なの!?しかも、この近くに潜んでるかもしれないの!もしも、今晩私一人で過ごすの心配!」

「そうだよ!今夜はこの共有スペースで皆さんで過ごしませんか!?」


そんな、話が上がり成り行きで私も全ての宿泊者と一夜を共にすることにした。

最初は、今回の件やみんなの話をしていたが2時間もすればみんな話題も無くなった。


私は、そんな中ずっと考えてた。


気まずいなぁ〜、すっごい気まずい

どうしようかなぁ〜、部屋のベットでゆっくり寝たいなぁ〜、せめてなんか事件とか起きろよ〜


すると、一緒にいた夫婦の旦那さんが急に立ち上がって言った。

「こんなところにずっといられるか!俺は自分の部屋に帰って寝る!」


こんなの見え見えの死亡フラグだが、今のこの状況は私も耐えられない

でも、自分で言う勇気はない是非便乗させてもらおう。


「ダメです!一人になったら殺人鬼の格好のまとになりますよ!絶対にダメです!」

大学生グループの男が止めた。

「そうよ、あなた!本当に危険なのよ!私あなたを失うことなんて耐えられない!」

そう、言って奥さんは旦那さんに抱きついた。


「そ、それもそうだな」旦那さんはもう一度座った。


いや、諦めんなよ〜

ここで解散の流れだろ普通!

まじふざけんなよ!


私は、心の中で叫んだ。時刻は夜3:30急に山荘に停電が起きた。


「きゃ!なに!!」

「もしかして、殺人鬼!」

「ちょっと見てきます!」マスターが走ってブレーカーを見に行った。


私は、あまりの眠さにこの暗さが影響してしばし意識が飛んだ


私が意識を取り戻したのは電気がついた時だった。

「すみません、何かの弾みでブレーカーが落ちちゃったみたいで」

マスターが言った。


正直、急におこされたことに怒りを覚えたが誰にも向けられない怒りが虚空へと消えて行った。


私は、この地獄の中で、ふと昔友人に話したことを思い出した。

『ミステリーの探偵役ってあういう緊迫状態ででしゃばって正直うざいよね』

『いや、そうじゃなきゃ物語が進まないじゃん!真相とかわからないし』

『確かに笑』


そんな、他愛ない会話を思い出した。正直あの時の自分を殴りたい。

そうだ、この退屈で苦境な時間を救ってくれ、今回の焼け落ちた吊り橋の謎を解明してくれるのは探偵役しかいない。


探偵役をこんなに渇望しているのはおそらく、今世界でただ一人


おそらく私だけだろう。


早くきてくれ!探偵役!ビバ!探偵役!


そうして、何事もなくあさが訪れた。





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