サ終

朝起きると、時間は11:00。圧倒的遅刻でベットから飛び出した。

ひとまず、会社に電話だ。急いでスマホを手に取った。


スマホには、上司からの数十件以上の着信とインストールしていたニュースアプリの通知が出ていた。

通知には、"サ終始まる。”と出ていた。おそらく何かのサービスが終わるんだろうと一瞬思ったがそんなことを考えている場合じゃない!急がなければ!


すぐに上司に電話をかけた。

「もしもし、大変申し訳ありません。寝坊をしてしまってすぐに向かいます」

「わかった。そんな急いできて事故るなよ!あと、12時からサ終だからなキオつけろよ」

「はい!」電話を切った。


流れで答えてしまったが正直サ終というのが何を指しているのかわかっていない。

正直上司は、厳しくて優しくて頼りになる本当に良い上司ではあるが軽く冗談を言うタイプではない。だから、このサ終というのが何をさしているのか全くわからない。何が終了するのか…少し考え込んだ。


しかし、時間がない。急がないと!僕は準備を始めた。


時刻は、11:20 僕は家を出た。


駅までは歩きで10分、走ればおそらく5~6分くらいだろう。

そう考えながら走り出した。全力で走ってようやく駅についた。


11:27 次の電車は11:34らしい息を整えながら電車を待っていた。

その時は、サ終のことをすっかり忘れていた。


11:34電車がきて乗り込んだ。会社の最寄りの駅まで15分そこから走って10分くらい

丁度、12時には会社に着きそうだ。


11:49 電車が駅についてすぐに駆け出した。


11:58 会社のあるオフィスビルについた。


11:59 自分の事務所の階のボタンを押した。エレベーターは一階にいたのですぐに飛び乗った。


12:00 ついにオフィスに到着した。


到着するや否やお詫びと挨拶をしなければならないと思い大きな声でこういった。

「おはようごいま!!遅れてまい大変もうけありまん!!!」


あれ?何か変だ。その時気づいた。サ行が言えない。

そう、本日12:00からサ行が終了したのだ。


ひょうにたいへんな日々がはまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る