第5話 過保護騎士団
森の中に身を潜めしばらく経った頃。
健斗は木の上に登り気配を消し、騎士達に囲まれてるネフティーと念話をしていた。
(夜にならないと女神様の監視減りそうに無いですかね?)
(まだ難しそうです、監視が多くて…それとネフティーって呼んでください。)
監視が多いっていうか姫みたいな扱いされてね?バレるといけないからたまにしか見れないけど近くで休んでる騎士でさえ顔は女神、ネフティー様見てる。
「コレも食べるかい?」
「いいん、ですか…?」
「勿論さ、よく頑張ったね」
「ありがと、ございます」
(今日はゆっくり休んで、離脱するの明日でも良いですかね?)
餌付けされてる!
ご飯やお菓子を与えられ、もう此処に保護されても良いかなって思い始めてるであろうネフティーのチョロさに戦慄している健斗。
(冗談です。なんとか隙を作って離脱するのでそれまで待っててくださいね。)
(わかりました…)
またまた時間が経った後、騎士達を引き連れ1人の男がネフティーへと近づいてきた。
「初めましてお嬢さん、私はアーレス王国第二騎士団長のダニス少しお話を聞かせてもらいたいのだがいいね?」
男は騎士団長と名乗った、保護された奴隷と思われる少女に話を聞きにきたようで武器は持っているようだが鎧は軽めの物を着ている。
「は、い…」
「ではどのような事をされたのか言える範囲でいい教えてくれないか?」
「何を?え…あ、あぁぁぁ!」
質問をされたネフティーが叫び始める、その姿は辛い事を思い出し苦しむ少女。
あれ、演技だよね?
それは演技であると知っている筈の健斗も動揺するほどであり周りの騎士達は慌てて落ち着かせようとしている。
「落ち着いてくれ、大丈夫だもう怖いのは居ない」
「嫌だぁ、ごめん…ごめんね……」
「【安らぎを スリープ】…誰か医療班の所へ暫く休ませてやれ」
(やってやりました!)
念話だけでわかるほどニッコニコで報告するネフティー、騎士団長の魔法で眠ったように見えたのは演技のようだ。
(魔法受けて眠ったのかと…)
(私にはあの程度の魔法は効きません!コレから寝たふりを続けるのでタイミング見て連絡するので迎えに来てください。)
でもネフティー様の見張りに立候補する騎士が多いな、それにきっと勝手に見張るだろうし何かしらのアクシデントが起こらない限り難しいよなぁ…
作戦は上手く行っていると思われていたが此処で問題が発生した、ネフティーの演技が上手すぎたのだ。
ネフティーは誰から見ても美少女、そんな少女が奴隷として苦しい思いをしていると聞いた騎士達は絶対に守ってあげなくてはと使命感に似た物を感じており、隙を見て離脱する作戦が騎士の視線が多すぎて実行できないのである。
魔法使ってテントで爆発でも起こすかな。
「は?」
健斗は自分が何を考えたのか理解できないようだった。
コレが人間じゃなくなった影響?ラノベには主人公が人間では無い作品もあった、段々人間っぽさを失っていく主人公をヒロインが救う展開が好きだった。
「いや待て、そんな事あり得ないだろ…」
俺は人間だ。
「誰かいるのか?」
「!」
声を出したせいで近くにいた騎士にバレてしまったようだ、場所まではバレていないが騎士はかなり警戒しているようだ。
「気のせいか…?」
「おーい、飯の準備手伝えー」
危ねぇ…
他の騎士に呼ばれなんとかバレずに済んだようだ、あの騎士も気のせいだと思うだろう。
何考えてたっけな?
そうだ魔法で少し離れた場所で爆発起こして見張りの騎士を減らすって考えてたんだだ、ネフティー様に連絡しておかないと。
(という事でもう少し暗くなったら魔法撃つので準備しておいてください。)
(了解です。私も出来るだけバレないように移動します、お互いの位置はなんとなく感じ取れますよね?)
(はい。)
日が沈み始め暗くなってくる、騎士は松明に火を付け始める。
コレからが勝負だ。
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