第4話 演技がうますぎる

もう部屋の外すぐそこまで来ている様だ、ネフティーは泣いている演技を始めローブを着たスケルトンは操っているスケルトン達を扉の方へ向かわせる。


「う、やあぁ…ヒッ」


「……」


女神様の泣いてる演技が上手すぎて助けてあげたくなる健斗、襲わせてるスケルトンはナイフがギリギリ当たらないように振らせている。


頼むから腕折れたりミスって傷つけないようにしてくれよ…


「突入!」


全体的に白く金のラインが入った鎧を着た4人組が部屋の扉を壊し飛び込んでくる、健斗が憑依したスケルトンはスキルで消えバレないように気をつけているが流れ弾が当たってしまったらスキルが途切れてしまうので部屋の端っこ巻き込まれないように立っている。


「敵スケルトン数12!奴隷と思われる少女が襲われているため私が救助する、他はスケルトンを殲滅せよ!」


「「「了解!」」」


1人が演技をしているネフティーを助けに向かう、襲わせる演技をさせていたスケルトンを一撃で倒した。

残りの3人も見事な連携でスケルトンを倒す、魔法を使っているのか剣が光を帯びている。


「大丈夫か?我々はアーレス王国第二騎士団の者だ安心してくれ助けにきたんだ」


「ほんと、ですか…?」


「あぁ、勿論だ」


30秒と掛からずスケルトンは全滅し、ネフティーの元へ向かう騎士団と名乗った者たちはネフティーの名演技に騙され保護してあげなくてはと燃えているようだ。

健斗はなんとか第一関門突破した事に安心している。


(ケントさん無事ですか?)


急に女神様の声が!さっき言ってた念話ってやつか。


念話の存在をあらかじめ聞いていたようでそこまで焦りはなかった。


(なんとか第一関門突破ですね。油断せず頑張ってください。)


(任せてください。)


念話で話している間もネフティーは騎士達と会話しているようで話を聞いた此処に居る騎士達は一度外の本部へ戻る事にしたようだ。


「共に此処から出ようか」


「あの、私は首輪が…」


「こ、これは…ラルス隷属の首輪だ!すぐに解呪を」


ラルスと呼ばれた騎士が首輪に触れる。


「【この者を解放せよ ディスペル】」


バキと音を立てて首輪が壊れネフティーが動けるようになって喜ぶ様な演技を始めた。


「ありがとうございます!本当に、ありがとう…」


何処からどう見ても演技には見えない、騎士達の顔は見えないけど安堵と庇護欲の様な感情を感じるし余程のミスをしない限りバレないな。


「では行こう。何処からか監視されている様な気がする、早く出た方がいいな」


「えっ、ほんと…に?」


「安心してくれ我々がいる限り君に手出しはさせないからな?」


リーダー格の騎士は視線に気づいている様で念の為に健斗は少し離れて着いていくことに決めた。


(ついて行く時は少し距離をとります、俺の事は気にせず自身のことに集中してください。)


(わかりました、もしバレちゃってもスケルトンを失うだけで貴方は消えないし知覚も出来ないので安心してください。)


女神様はそう言ってるが魔法とスキルが使えなくなるためこの体は出来るだけ失いたくない。


騎士の1人がネフティーを抱え騎士達と一緒に撤退を始める、健斗は離れて着いていく度々リーダー格の騎士が振り向いて確認してくる。


「ついてきているのか…?」


「隊長、やはり何者かが居るのですか?」


「この邪教団で我々の敵になりうる存在は魔法使いだけ高位の暗殺者は居ない、私の考えすぎかもしれないな」


このまま歩き続けると騎士とすれ違うことが増えた出口が近いのだろう。


(まずいです。ケント外に出たら直ぐに森に身を隠してくださいバレる可能性があります、夜になったら迎えにきてください。)


(わかりました。)


太陽の光が見えた、少し離れた平地にテントが張ってあり多くの騎士が見える。

外に出てわかったがこの施設は洞窟を改造していたようだ。


(じゃあ離脱しますね。)


(わかりました、落ち着いたら念話します。)

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