第11話 人懐こい ハクセキレイ

 昨日は所用のため、電車で出かけました。

 自宅から最寄り駅までの道では、ヒヨドリの「ピー、ピー」という声がかまびすしく響いていました。

 何やら、空中戦のような争いを繰り広げているものもいます。


 ヒヨドリは一年中見られる鳥ですが、冬場には特に騒がしくなるように感じられます。

 ある鳥類図鑑のヒヨドリの項に、「全国に分布・繁殖するが、北部のものは秋に暖地に移動する」とあります。

 もしかすると、私の住んでいる場所でも、北から移ってきたものがいて、在来のものといさかいを起こしているのかもしれません。


 そういえば、以前テレビで、秋に北海道から津軽海峡を渡って本州に移動するヒヨドリの群を見たことがあります。

 「ヒヨドリ 津軽海峡」でウェブ検索したら、ユーチューブの映像が出てきました。

 数百羽が一団となって、北海道最南端の白神岬から、津軽半島を目指して飛んでいくそうです。一日で終わるわけではなく、一定期間断続的に続くといいます。

 途中、ハヤブサなどの猛禽類が襲ってくるので、海面スレスレの低空飛行だそうです。


 さて、表題のハクセキレイです。

 所用が済んで、京成線「公津の杜」駅のホームのベンチで、電車待ちをしていました。

 すると、一羽のハクセキレイが、ホームをちょこちょこと歩き回っています。

 時々立ち止まって、ホームの上をつついています。


 観察していると、私の方に近付いてきて、私の足元から1mも満たない距離までやってきました。

 とにかく忙しそうにしていて、すぐに通り過ぎていきました。

 ホーム上に人影はまばらでしたが、他の人の近くにもよりながら、速足で歩きまわっています。

 幸い、ホームには子供はいなかったので、子供に追いかけられることもありませんでした。

 首をちょこちょこさせながら、小さな足をフル回転させている姿は、どこかユーモラスで、可愛いです。


 鳥としては、歩行速度が速いのではないでしょうか?

 ご存じのとおり、スズメは両足をそろえて、ぴょんぴょんと撥ねるようにして歩きますが、決して速くはありません。

 カラスやハトは足を交互に出しますが、続けて速足で歩く姿は、あまり見かけません。


 それにしても、ホーム上には餌となるようなものは見られませんでしたが、いったいハクセキレイは何のために走り回っていたのでしょうか?


 拙宅の近くの6m道路にあるマンホールのふたの上にも、時々ハクセキレイがいるのを見かけます。そこだって、餌があるように思えません。


 人懐こいハクセキレイでしたが、電車がホームに進入してくると、さすがに飛び去っていきました。


 

 



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る