第2話 どこからくる? 不思議なアマガエル

 我家の――と言っても妻と私の二人ですが――人気を、ニホンヤモリと二分にぶんしているのが、アマガエルです。正確には、ニホンアマガエルと言います。


 とにかく小さくて可愛らしいし、動作などにも愛嬌があります。


 私はフィギュア・食玩・ガチャガチャの収集が趣味のひとつなのですが、以前、とてもリアルなアマガエルのストラップを見つけて、思わず「大人買い」してしまいました。形は同じなのですが、彩色がノーマルの緑のほか、灰色や青色など、バラエティがあります。


 我家のアマガエルは、夜になると門燈が載っている台の上に陣取って、光に誘われて集まってくる小型昆虫を捕食します。

 体は小さいくせに、黒色の糞は結構大きい。


 大きいと言えば、声も大きいです。繁殖期に鳴くのですが、お世辞にも美声とは言えません。それはもちろん人間にとってで、メスのアマガエルにとっては、甘い声に聞こえるのかもしれません。


 アマガエルについて、とても不思議な点があります。


 ご存じのとおり、両生類であるカエルは水の中に卵を産み、孵化ふかするとオタマジャクシになります。そして、ある程度成長すると、陸に上がってカエルの姿になるわけです。


 我家のアマガエルは、毎年、どこからともなく新手の「チビ助」がやってきます。体が小さいので、その年に生まれた個体だと考えられます。


 すると、そのチビ助は、どこで生まれてオタマジャクシ時代を過ごしたのか? どうやって我家まで来たのか?


 というのは、我家から一番近い水辺は、約500mほど離れた所にある水田のほか考えられないのです。その水田から我家の間には、畑、雑草の茂った空き地、そして、鉄道の線路(周辺より高くなっている)があります。


 あんなチビ助が、それらの障害物を乗り越えて、はるばる我が家にやってくるのでしょうか?

 実に不思議です。


 せいぜい、たくさん虫を食べて大きくなり、水田に戻る力を蓄えてもらいたいと思います。

 がんばれ! アマガエル。

 と言っても、今は深い眠りについているはずです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る