第21話 傭兵の女性とカレーライス!
アタイは、傭兵のナディア。傭兵で唯一の女だよ。依頼された戦場から今日戻ってきたんだ。それで、久々に酒場に行ったんだけど、数人いるだけで、いつもの大騒ぎしている連中がいないんだよ。アタイはおかしいと思って近くにいた傭兵の連中に聞いたんだ。すると、最近うますぎる料理と酒を出す屋台が出来て、皆がそっちに入り浸っているって話だったんだよ。その連中も、昨日まではそこに行っていたらしいが、飲み食いし過ぎで金を使い過ぎてしまって、仕方なく安酒で我慢してるとのことだった。アタイは、気になったからすぐに屋台の場所を聞いて、走って向かったよ。
ちなみに安酒とは密造酒だ。非合法に作られているので、何が中に入っているかは謎である。
「本当にこんな所に屋台があるんだろうね?アタイ騙されてないかい?」
ナディアは、入り組んだ道をひたすら進む。すると、いつもの大騒ぎしている傭兵達の声が聞こえてきた。しかも、唯一灯りがともっているのだ。
「ナディアじゃねぇか!おめぇも飲みに来たのか?」
一人ポツンとみんなが騒いでいる屋台を見ていると、仲間の傭兵の一人が声をかけてくる。
「あぁ、みんながここにいるって聞いたから来てみたんだよ。飯と酒がうまいらしいじゃないかい」
「うめぇってもんじゃねぇ。この世のものとは思えねぇよ。ナディアも食ってみろよ」
そう言われたナディアは、屋台に向かって歩きだす。
「アタイにも、飯と酒をくれないかい?」
「ありがとうございます。ではまずビールからどうぞ」
最近は、傭兵の飲むスピードと量を考えてグラスではなくジョッキで出しているのだ。
「綺麗だねぇ。それに冷やしてるのかい!?」
そして、ナディアはゴクゴクと一気に飲み干す。そして、下を向いて「ゔうう」と体を震わせながら声を出している。次の瞬間、みんなが驚くような声を上げる。
「う、うま〜い!これは酒なのかい?こんな冷えていて雑味がなく喉を通った時のス〜っとした感じが酒とは思えないうまさだよ」
感動したように、真人を見て力説する。
「やべぇだろ?ナディア!このうまさ!」
さっきの傭兵の男がナディア肩を組み絡んでくる。
「アンタ、うっさいよ。アタイは一人で楽しみたいんだ。あっちに行きな」
肩に乗った腕を振りほどいて、ケツに蹴りを入れるナディア。
「礼儀のなってない傭兵達がすまないねぇ。ビールと料理を頼むよ」
「畏まりました。ガッツリいける物を用意しますね」
今回は、カレーである。
じゃがいもの皮を剥き、芽を取り除いて、にんじんと玉ねぎの皮を剥く。豚バラ肉と野菜を一口大に切っていき、フライパンにサラダ油をひいて中火で肉を炒めていく。そして野菜を加えて、たまねぎが透き通るくらいまで炒める。寸胴鍋に豚バラと野菜を移し、水を加えて15〜20分煮込めてからカレールーを加えて完全に溶かしながら10分煮込んで出来上がり。
そして、それから6時間以上煮込んでいるので、トロトロで野菜の甘さと肉の旨味が溶け込んだカレーになっているのだ。
ナディアにカレーを出す前に、地べたで酒盛りをしていた傭兵達にカレーを出すと「うめぇようめぇよ」と泣きながら食べているのだ。
「さっきから刺激が強くてうまそうな匂いがするけど、それを出してくれるのかい?それよりアイツらは泣いてるのかい?どんだけうまいのさ」
「カレーと言いまして、色々な香辛料を加えた料理になります。子供から大人まで大人気なんですよ。お待たせ致しました。カレーライスです」
「匂いは食欲を唆られるけど、見た目がちょっとねぇ。でも、アイツらを見たらうまいんだろうねぇ。じゃあ、早速いただくよ」
ナディアは、豪快にスプーンでカレーと白米をすくい上げて口に運ぶ。モグモグと何回か咀嚼してゴクンと飲み込む。
「うまい...モグモグ...これうますぎるよ。こんな刺激的なもの初めて食べたよ。それより、こんな野菜がおいしいと感じたことない。それと、この白いのはなんだい?」
スプーンで白米をすくい、真人に見せる。
「これは、米という私の祖国で愛されている食べ物です。それだけ食べても甘みがありおいしいですよ」
そう言われたナディアは、白米だけを口に入れる。
「本当だねぇ。噛む度に甘みが溢れてくるよ。謎が解けたよ。この甘みが辛いこれをいい感じにさせてるんだねぇ。本当によく出来た料理だよ。これは、傭兵の間で話題になるのもわかるよ。ゴクゴク、ぷはぁ〜ビールにも合うねぇ。アタイも明日から通うよ」
ナディアは、料理と酒をいたく気に入ったようで、笑顔で食べるのであった。
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