第22話 ナディアは甘党!?イチゴとチョコクリームケーキ!
ナディアは、酒好きなのは本当なのだが、密かに隠していることがあったのだ。それは、甘い物が大好きということである。隠れてクッキーを買いに行ったり、仕事中も甘い果実を見つけると採って食べたりするほどた。しかし、男勝りな性格と恥ずかしさで打ち明けることが出来ないでいるのである。
「よし!まだ誰も来ていないねぇ」
事前にいつ頃から真人が、ここに来るか聞いていたナディアは、その時間に合わせて屋台へとやってきたのだ。まだ早い時間なので真人しか来ていない。
「マサト、今いいかい?」
屋台に近付いて小声で声をかけるナディア。
「え?早いですね。どうしたんですか?」
この時間は、トンボすら来ることのない時間なので、誰かが来たことに驚く真人。
「いやね...甘味を...ゴニョゴニョ」
ビキニアーマーのシックスパックに割れた腹筋が目立つ強そうなナディアが小声でゴニョゴニョ話しだしたのだ。
「え?なんて言いました?」
そう聞き返すと、ナディアは顔を真っ赤にさせて「だから、甘味をくれと言っているんだよ」と大声で返してきた。
「甘味ですか?あぁ〜そういうことですね。今からだと少し時間がかかりますが平気ですか?」
真人は、女の人なら甘い物が好きなのは理解出来るし、それを恥ずかしいと思う人もいるかと一人で納得したのである。
「あぁ、みんなが来る前に作ってくれたら助かる」
「わかりました。席に座ってリンゴジュースでも飲んで待っていて下さい」
そう言ってグラスにリンゴジュースを入れて渡す。すると、すぐにゴクゴクと飲み干すナディア。
「ぷはぁー、うまい。酸味と程よい甘さが調和していていいねぇ。もう1杯くれ」
次もすぐ飲み切るだろうと予想した真人は、ジョッキに入れて渡すのであった。
そして今回は、イチゴとチョコクリームケーキを作ろうとしているのだ。
今回のレシピは長いです!
まず、オーブンは180℃に予熱しておいて、型にクッキングシートを敷いておく。そして、卵は常温に戻しておき、湯煎用のお湯は60℃程度にして準備をしておく。
次に、いちごはヘタを取り5個は薄切りにして、9個は半分に切る。ボウルに卵2個と砂糖30gを入れ泡立て器で混ぜ合わせる 。その時、湯煎用のお湯の上に乗せてハンドミキサーの中速で泡立てをする。砂糖が溶けて40℃程になったら湯煎からはずし、人肌程度を保ちながらもったり白っぽくなるまで5分程泡立てる。そして、薄力粉50gとココアパウダー10gを振るい入れたら、ゴムベラでボウルの底からすくい上げるようにさっくりと粉気がなくなるまで混ぜ合わせる。次に、溶かしバター20gを入れゴムベラでなめらかになるまで混ぜ合わせて、型に流し入れ、型を軽く落とし空気を抜く。それから、180℃のオーブンで25分焼いて、焼き上がったら型から取り出して天地を逆さまにしておき、粗熱が取れたら元の状態に戻す。
次に、シロップを作っていこう。中火に熱した鍋に水50mlと砂糖30gとキルシュ15gを入れ沸騰させてアルコールを軽く飛ばして、粗熱をとり冷蔵庫で10分冷やす。
次は、みんな大好きチョコクリームを作っていく。別の鍋に生クリーム66gとミルクチョコレート50gを砕いて入れ弱火でミルクチョコレートが溶けるまでゴムベラで混ぜ合わせる。チョコレートが溶けたら火を止め、残りの生クリーム134gを入れ混ぜ合わせボウルに移します。 チョコクリームを氷水の上に乗せハンドミキサーでツノが立つまで泡立てる。そして、オーブンで焼いたスポンジを半分に切ってシロップを塗り、チョコクリームの1/4の量とイチゴの薄切り、チョコクリームの1/4の量を順に乗せて挟んで半分に切ったスポンジを上に乗せて、残りのチョコクリームと半分に切ったイチゴと粉糖5gで上部と円周部をデコレーションしたら出来上がり。
ナディアの目の前には、チョコクリームが沢山塗られて沢山のイチゴが上部に敷き詰められたホールケーキが置かれている。
「なんなんだい?このかわいくて食欲をそそる見た目は!?これが甘味なのかい?」
初めて見るケーキに目を輝かせて胸を躍らせるナディア。
「イチゴとチョコクリームのケーキです。切り分けますので食べてみて下さい」
真人は、切り分けてナディアに渡す。ナディアは、いつもみたいにすぐ食べるのではなく暫く眺めているのだ。本当は、カワイイ物好きの乙女なのかもしれない。
「ナディアさん、乾燥しちゃいますので食べて下さいよ」
「あぁ、悪いねぇ。つい見とれちまったよ」
照れ笑いを浮かべながらフォークをケーキに刺して、チョコクリームふんだんのケーキを口へ運ぶ。口に入れた瞬間、目を見開いて背景に花が咲いたような表情を浮かべる。
「ん〜〜あま〜い...甘さとちょっとだけどほろ苦さが合わさって、このフワフワな生地と甘酸っぱい果実もうまい!こんな甘味食べたことないよ。普通の女なら一瞬で胃袋を掴まれてマサトにゾッコンだろうねぇ。本当にマサトは天才だよ。あ〜なんてうまさなんだい。口の中で一瞬で溶けちまったよ」
そんな話をしながらもバクバクと食べ進めて行き、気づけばもう1切れしか残っておらず、最後の1切れをナディアに出す。
「これで最後かい?もっと食べたかったよ」
それを聞いた真人は、ケーキバイキングに行ったら食べ尽くしてしまうのではと思うのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます