『誰もいない首都』 11


 その、お手洗いは、うなぎか、なまずか、へびか、の寝床みたいに長細かった。


 向こう側には、キレイな、輝く洗面所がある。


 そうして、その向こう側には、また、ドアらしきがあるようだ。


 個室もなぜだか、ふたつ並んでいる。


 一つはドアが開いたが、もうひとつは、ロックされているようだ。


 『だ、だれかいる?』


 しかし、物音ひとつしない。


 そもそも、上にも下にも、隙間がない。


 おかしな、造りである。


 とにかくも、洗面所で手を洗ったり、ぼさぼさの天然パーマの髪を、ちょい撫で付けたりしていた。


 半分は、白髪で年齢を感じさせるが、あまり、薄くなったりは、幸いにして、していない。


 

 そこで、なにやら、ノックの音がして、反対側から、御徒町さんが現れたのである。


 かなり、心臓がばくばくした。


 『失礼します。恐れ入りますが、ちと、急ぎますので、こちらから、どうぞ。』



         🚻



 ちょいとばかり、なぜか、反対側のドアしか開かなかったが、個室を済ませ、手を洗って、白髪交じりの天然パーマの髪を撫で付けてから、無事に、ぼくがお手洗いから出ると、御徒町さんが、待ってくれていた。


         🚼️

        


 『よろしいですかな。よろしければ、次の予定に参りましょう。』


 双方の、御徒町さんが、同様に告げたのだ。




       ? 💫、?


 


      


 

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