第4話 人は見た目じゃ分からない。
同期、池田さん。
彼女は創価学会の一員である。
生保レディは、意外と学会員が多いのである。
親の代からの創価員の池田さんは二世にあたる。
飯田上司と、田岡上司は
いつの間にか、池田さんを新人として連れてきた。
池田さんは、お世辞にも
カワイイとも言えないタイプ。それは何故か……?
飯田上司が、自分の美しさを引き立てる為に、あえて不細工な人を新人に迎えるのだ。
一度、2人の上司に
池田さんのアパートへ向かい、
掃除の出来ない池田さんの家中をみんなで掃除するのだった。
下着の洗ってない山……
雑誌の山積み……洋服の山積み……。
水が出てない。
様々な掃除を手伝って、その日を皮切りに、池田さんはお洒落に
目覚めるのだった。
飯田上司がやたらと、池田さんを可愛がる。
飯田上司も、田岡上司も、
いわゆる出来損ないが好きらしい。
お洒落に目覚めた池田さんは、
ある日、通牒を持ち出して家に帰らない日が続いた。
私は、直感で
『不倫じゃないですか?』と
飯田上司と田岡上司に話したのだが。
2人とも、池田さんの大人しさを信じていたので……ショックを
隠せない様子だった。
池田さんのアパートへ着くと
いわゆる張り込みが始まった。
しばらくすると、池田さんは家に帰ってきた。
現場を押さえると、
案の定。不倫していた。
私は思う。
『人は見た目で判断出来ないなぁ。こんなブスが。』
と……驚いた。
さらに驚くことに、池田さんには旦那様がいるのである。しかも
子供もいるのである。
おかずも、作れない。
洗濯もまともに出来ない。
片付けすら、出来ない。
『何処が??良いんだろう。』
池田さんの不倫現場を押さえた2人の上司は、
『心配したんだよ?どうして?』
と悲しみを受けていた。
池田さんは、いわゆる仕事の
渡り歩きをしていた。
互助会の渡り歩きだ。
2人の上司は、この時から
池田さんへの態度が厳しくなったのであった。
ブスがお洒落して、化粧をし、
不倫して、旦那を裏切り子供を置いていく。
何をとち狂って、憧れを
持っていたんだろうか??
そのうち池田さんは退社して、
ほとぼりが冷めると
また2人の上司に、声かけをされていた。
また、舞い戻ってきた!
なんだコイツ??!
私は、シングルマザーで子供達も活発で仲良くやってたのに。
旦那さんが居ても
不満抱くのかな?とちょっと、
信じられない事態だった。
そして……そのうちまた新人さんが入ってきた。
この
笑顔すら、固まっていたのだった。
そう。飯田上司と田岡上司が
余りにもコワすぎて、私達新人は笑顔を引きつらせていた。
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