日本衰退国史 平成編 第二八章 平成28年

熊本地震が発生した。ここで熊本城の事ばかり取り上げられるがそうじゃない。熊本のみなさん、仮設住宅は無くなりましたか?もう2016年の話ですよね?今2021年ですよね?


今だに仮設ですと、それ見捨てられてますよ。


そこで熊本日日新聞と言う物を見るわけです。ええ、いまだに仮設が残ってますよ。またこれだ。震災直後は「絆」と称してボランティア、ほとぼりが冷めると放置である。5年も仮設に放置ってどういう国なんだ。一体この国は東日本大震災から何を学んだんだ?


たぶん、この国はコロナ、コロナって新型コロナウイルスの事で頭一杯で「熊本地震? そういえば昔そういう事ありましたねえ」って「過去」にされてるぞ。


もう一つこの年に起きたことは天皇陛下の退位決定である。私は公文書がしっかりと公開されてからこの件を記述するつもりであるが1件だけ分かってることがある。「尋常じゃない」という事である。しかしこれに関しては公文書の公開がなされない限りこれ以上研究も記述も出来ない。まだ5年では早すぎるのである。


さて、2015年の国勢調査の結果が出た。それはそれは酷いものであった。生産年齢人口が1995年には8700万人居たものがもう7400万人になってしまったのである。つまり現役世代が1000万人以上も減った=1000万人以上の稼ぎ手が減ったということである。


しかしそれ以上に見過ごせない数字がある。離婚率である。33%もの人間が生涯1回離婚しているのである。そして50歳未婚率。つまり50歳に達しても結婚できなかったものが1990年には2%だったものが男性24.2%、女性14.9%という異常な、絶望的な数字を叩き出したのだ。つまり日本人の3人に1人は結婚生活に破綻し、日本人の5人に1人は結婚すら出来ないという意味である(※なお、離婚者が再婚するのは約15%である)。合計日本人の約半分が家庭を破綻させているという現実である。まず、この国に起きてるのは「晩婚化」などではない。結婚したくても出来ない「未婚化」社会なのである。そしてこれは私が命名するが2015年でもって日本は家庭そのものを築くこと自体が困難になったという「家庭生活困難社会」が到来したという事である。


そりゃそうですよね?年収100万・年収200万で結婚生活できますかということである。私がしつこく「今だけ・金だけ・自分だけ」の日本人を糾弾してるのはそう言うことをすると家庭の再生産能力を失うからである。「安くて便利」の先に待ってる社会は将来の命を奪う行為なんですよ。だからブラック企業というのは社会悪なんです。


それどころかこの時代になると「ブラックバイト」と言う信じられないことが起きるわけです。人手不足なのに賃金を上げない。それどころかバイトにノルマを課す、学業に支障をきたす、自爆強要、挙句にワンオペともうやりたい放題である。こんな絶望的な国に子供を産みたいかと言う事である。


どうせこの人たちは「コスパ」でしか人間を見られない人なんですよ。少ない費用でいかに最大限効果を上げられるか。それ、終わってますよ。一線を越えてはいけない何かがあるという事を忘れてしまったんです。そして飲食店系ブラックバイトはコロナ禍で一気に駆逐されていくのでした。

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