日本衰退国史 平成編 第十二章 平成12年

現代日本史には2つの評価がある。1つは私のように日本は令和どころか平成の世にも適応できず2020年代においても「昭和」のままで動いてる国と言う評価。つまり2021年なら事実上の昭和96年と言う評価である。もう一つは日本は90年代まではどうにか適応出来たけど21世紀に入ることができず永遠に20世紀のままで生きてる国という評価である。後者だとしたら最後に適応した年が2000年(平成12年)である。いかがであろうか。


残念ながらもう2000年ともなると日本の死はいたるところに見えておりもう復活のかけらも無いのが現実である。やはり日本は昭和のままでここまで来てしまった国だと言わざるを得ない。甘いのである。


この時代に生きて来た人間に聞きたい。


「あなたは21世紀の直前の年に何かときめくものを感じましたか?」と。


無かったはずである。それどころか未来予想というものすらこの国は碌にしてこなかった。他の国は100年後の世界を予想し来るべき21世紀に希望を持っていたのである。まあ2001年の幕開けは9.11テロであり欧米諸国も衰退の道を歩むのだが。


そんな欧米はITバブルに酔いしれていたわけだが、日本にもわずかながら恩恵が来た。ITプチバブルと言う奴である。しかし金融が瀕死の状態でゼロ金利でバブルが来ても庶民には何も恩恵が無かった。そしてプチバブルは崩壊しさらに痛い目に合うのである。


政治はもっと劣化し小渕首相の死後に着いた森はあらゆる失言で退陣することになる。こいつが女性差別失言で東京オリンピック2020を汚すのだから、この国は1ミリも進歩してないのである。それどころか森はITを「イット」つまり「よくわからないけど、それ」という認識で発言し失笑を買った。笑ってはいけない。日本国民の大半はITという存在を「イット」つまり「よくわからないけど、それ」という認識だったのではないか。じゃなければ「失われた30年」と言う現実にならない。


2000年は雪印食中毒事件に三菱自動車リコール隠し事件が発生した。いよいよ日本企業が本格的にポンコツになって来たのである。


だから、日本は平成と言う時代にすら適応出来てなかった。平成12年ではなく昭和75年だったのであろう。私はそういう歴史的評価を下したい。


2000年オリコンヒットチャート


1位 サザンオールスターズ:「TSUNAMI」

2位 福山雅治:「桜坂」

3位 宇多田ヒカル:「Wait & See 〜リスク〜」

4位 倉木麻衣:「Love, Day After Tomorrow」

5位 浜崎あゆみ:「SEASONS」

6位 SMAP:「らいおんハート」

7位 モーニング娘。:「恋のダンスサイト」

8位 B'z:「今夜月の見える丘に」

9位 プッチモニ:「ちょこっとLOVE」

10位 L'Arc〜en〜Ciel:「NEO UNIVERSE/finale」


11位 大泉逸郎:「孫」12位 慎吾ママ:「慎吾ママのおはロック」


なんと2000年に2000年代の名曲というか代表曲が集っている。以後我が国は音楽も本格的に衰退していくのである。当たり前で若者向けばかりにターゲットを絞っても超少子化で若者は減っているのだからそっぽ向かれて当然なのだ。音楽もだいたい25歳くらいで卒業し「最近のヒットソングって何だっけ?」となるのだそうである。だから音楽再興を考えるのならば高齢者向けの音楽、ぶちゃけ演歌に力を再び入れればよかったのだ。現に11位に演歌がランクインしてる。これを行っていれば握手券音楽に占領されずに済んだのである。しかし我が国は音楽を地道に育てるという事よりもアイドルにお布施をさせるつまり搾取で稼ぐという外道を選ぶのである。音楽再復活の分岐点は2000年と私は考える。非常にもったいない事をしたもんだ。この時代は音楽はまだ「作品」であるが音楽が「商品」に落ちる時が来るのである。


子どもたちは「おっはー」と言ってる。この子達も約10年後にリーマンショック+東日本大震災でこの世の地獄を見ることになる。そんな現実を見て、この日本と言う国に新たな命を残したいと大人が一体どれだ居るのだろうか。2000年の12位の曲は案外2000年代の代表曲の1つなので10位圏外なのだが特別に掲載した。


名曲「TSUNAMI」は東日本大震災で下手するともう二度とOA出来ない曲である。我が国はそれだけ津波と言うトラウマを持ってしまった。

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