日本衰退国史 平成編 第六章 平成6年
さすがに不況が3年も続くとなんかおかしいぞってみんな気が付くわけです。世相が暗くなる。そして政治改革が挫折するんです。それも弱者救済政党である日本社会党が自由民主党と連立組んで与党になったのです。もうこの時点で政治ってぶっ壊れてるのですが令和3年になっても政治に希望を持ってる人がいる。不思議ですね。この日本社会党の連立は万死に値するもので以後弱者側は支持政党を失ってしまうのです。だから我が国は支持政党無しが40%を超える民主主義失格国家になったのです。
もう一つは研究所からリストラし我が国は新製品を作る力を失っていったのです。これは後から利いてきます。本当はリストラってリストラクチャングという「再構築」と言う意味なのですが撤退を転進と言い換える悪しきDNAはしっかり残っていたのです。当時は58歳辺りで年金支給から2~3年前の人が首になって行ったのです。
筑紫哲也(故人)は1994年の多事総論で「信販と製薬以外好況な業種が1つもない、これはゆゆしき状況だ、これは普通の不況ではない」と言ってるのです。なのに日本人は当時から現実から目をそらして来たのです。
TVも「家なき子」など陰湿なドラマが大流行します。明らかに世相が変わったのです。
実はこの年日本は本格的なデフレに突入します。デフレに突入するということは下手すると失われた100年なんて言う状況に陥るわけでとんでもない状況だったわけです。なのに当時の日本人はなんと言ったか。
「いいデフレ」
などと言ったのです。マクドナルドは1994年に大々的「バリュー」戦略を打ち出し安売りに専念します。当時の小売業日本一のダイエーはPB商品をこれでもかと販売します。そのツケはすべて人件費カット、首切りとなって我々の首が締まっていくのです。そう、このデフレは単なるデフレじゃないのです。デフレスパイラルだったのです。大規模小売店舗法の改正は1991年ですがこれによって大規模SCが次々誕生し、店同士で叩き売り、消耗戦を始めます。誰も得をしないのに長時間労働、ブラック化がはじまっていくのです。デフレなのに規制を緩和するとどうなるのか。そんなことすらわが国民は理解出来てなかったのです。開店時間・閉店時間もどんどん伸びて従業員は過労死まっしぐらとなったのです。
1994年卒は就職氷河期元年でまず高卒新卒から次に大卒新卒からそもそも採用してくれないという状況になっていきました。1993年に就職活動した人の受け皿が、もうなかったのです。当時22歳大卒のかなりがフリーターに落ち元祖就職氷河期のトップランナーとなりました大卒1浪23歳だとすると2021年現在50歳ともう80/50問題に差し掛かっており両親を失い生活保護やホームレスに落ちてる者も大勢います。我々は文字通り未来・将来のある若者を殺して「今だけ・金だけ・自分だけ」というクズに落ちたのです。
それでは次に1994年の音楽です。オリコンヒットチャートを見て見ます。
1位 Mr.Children:「innocent world」
2位 広瀬香美:「ロマンスの神様」
3位 篠原涼子 with t.komuro:「恋しさと せつなさと 心強さと」
4位 B'z:「Don't Leave Me」
5位 中島みゆき:「空と君のあいだに/ファイト!」
6位 松任谷由実:「Hello, my friend」
7位 trf:「Survival dAnce 〜no no cry more〜」
8位 大黒摩季:「あなただけ見つめてる」
9位 trf:「BOY MEETS GIRL」
10位 WANDS:「世界が終るまでは…」
音楽は逆にレベル・質がどんどん高まっていきます。危機的時代の初期は文化が警鐘を鳴らします。一方でまだバブル文化の名残みたいな曲も残ってることにびっくりです。「ロマンスの神様」とか。まだこの時代になってもバブルの残りかすかどっかに生きていた証ということになります。スキー文化の象徴とも言うべき曲ですがスキー人口は1996年をピークに-75%まで激減します。スキー・スノボは大衆文化から高級文化へと戻ってしまったのです。
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