第73.5話
師匠と出会って数日後。
「弟子。今日はお前に属性の修行をしてあげマス」
「なんですかそれ?」
「この世界には様々な力がありマス。火、水、風、地、光、闇……などと言った物デス」
「は、はぁ……」
え? 超能力って属性的な要素もあるんだ……。
「そして、人にはそれぞれ、どの力に1番適合するか特性があるのデス」
「なるほど……」
「では、まずは火の力から……」
「ちょ!? 師匠!? 何してるんですか!? 僕の手を燃やそうとしないで下さいよ!!」
「え? この燃え盛る焚き火の中に手を突っ込まなきゃ修行できないのデス」
「ムリムリムリムリ!? できないから!? そんなの!?」
「えぇ!? それじゃあ次は土……」
「土はどうするんですか?」
「土は穴を掘って生き埋めに」
「いやいやいやいや!? 無理ですよ!?」
「軟弱な弟子デスね……じゃあ風」
「風は崖から飛び降りるとか言わないでしょうね……?」
「良く知ってマスね! 風に興味が!?」
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!? 死ぬから!!」
「うーむ基本元素は厳しいデスかね……じゃあ趣向を変えて光」
「お、光は行けそうな気がします」
「光は簡単デス。日光浴を……」
「おぉ!? それなら現実的じゃないですか」
「1ヶ月飲まず食わずで行うのデス」
「……師匠の国に脱水症状という言葉はあるのでしょうか?」
「仕方のない弟子デスね……闇は?」
「もう分かりますよ? 死んで永遠の闇をとか言うんでしょ?」
「その通りデス。闇は死から生還した者だけが使えるので、扱える者が少ないのデス」
「あ、当たり前じゃないですか……」
「うーむ。他の力もありマスが……そちらはより上位の力デスからねぇ。一般人がいきなり、とは難しいデスね……」
「あ、そういや水はどうなんですか?」
「水は地味デスが、難しいデスよ……」
「え? そうなんですか?」
「水を何十キロと担いで毎日生活するのデス」
「ギリ! ギリできそう!!」
こうして僕は水の力の修行をした。
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