第63.5話
あの日以来、方内先輩に無理やり手伝わされるようになってしまった。
「ということで。犬山くん。今回の依頼者はダンスバトル研究会よ」
「それってダンスバトルをする部活動なのか?」
「いえ、ダンスバトルを研究する部活よ。つまり、ギャラリーとして楽しむ方ね」
「……前から思っていたのだが、白水中にまともな部活は無いのか?」
「何言ってるの? あなた達のせいじゃない」
「え?」
「情報部部長の
「い、いや……俺は……」
俺が情報部に入った時に、そんな話聞いてないぞ。
「小宮茉莉はこの学校の教師の弱みを全部握ってるのよ」
「は?」
「大人って嫌よねぇ……色々隠してるんだから」
「なんだそれは……」
「小宮茉莉はね。入学から半年でこの学校の教師を徹底的に調べつくしたのよ。そして、全ての教師の弱みをダシにして、この学校の風紀を破壊したの」
「風紀……を破壊……?」
そういえば……俺も不思議に思っていた。学校に通う生徒達は普通に学校で菓子を食べたり、ゲームをしたり……なんというか自由すぎると。
「この学校が学校足り得ているのはひとえに私達生徒のモラルのおかげよ」
「そうだったのか……」
「教師側唯一の希望だった学生指導の奥村先生もあのザマだし」
学生指導の奥村先生……。
一度情報部が潰されそうになったことがあったな……あの時も部長が奥村先生の弱みを握って危機を脱したが。
「だからこの学校に普通の部活なんて無いわ。みんなやりたいことをやってる」
あ。
格闘部の時も、部長が言っていた。
「まさか先生が私を頼るなんてね〜」
……。
「小宮茉莉は私達にとって最高の味方だけど、大人にとっては悪魔ね」
ちょっとだけ部長のことが怖くなった。
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