第68.5話

「お、もう23時か。そろそろ寝るかぁ」


「そうじゃな。あぁ〜早く夏休みとやらにならんかのう。そしたら毎日夜更かしするのに」


「それぜってぇ休み明けに苦労するヤツじゃん」


「まぁ〜なんとかなるじゃろ」


「お前なぁ〜」


「ほれ、早く寝るのじゃろ?」



「まぁいいや。おやすみカノガミ」


「おやすみジュン」


「……」

「……」


「のう。ジュン?」


「なんだよ?」


「ウチらの暮らしはギリギリなのか?」


「あぁ、夏樹達が言ってたヤツか。まぁウチはウチだな。気にすんな」


「そうか……そうじゃな」


「ああ」


「……」

「……」


「……のう。そっち行って良いかの?」


「え? な、なんで?」


「ウチはウチなんじゃろ?」


「……い、いいよ」


「ふふ」


「なんだよ?」


「素直じゃなぁと思っての」


「い、いいだろ別に」


「じゃ、失礼するのじゃあ〜」


「くっ」


「なんじゃ?」


「やっぱり2人だと狭いな」


「ウチは好きじゃぞ。この感じ」


「……どうしたんだよ急に。あの時以来じゃん」


「ちょっとだけ、の。ゲームの中……真っ暗じゃったから」


「そっか……ごめんな」


「何がじゃ?」


「夏樹に任せっぱなしでさ」


「気にしておらん。結果的にそれが最良じゃったのじゃろう」


「……」

「……」



「うぉ!? 急にくっつくなよ!?」


「嫌か?」


「……嫌じゃ、ない」


「ふふふ」


「ちぇっ」


「はぁ〜。はぁ〜」


「何すんだよ」


「息を吹きかけておる」


「なんで?」


「なんとなくじゃ」


「なんだよそれ……」


「のぅ。最近じゃけど」


「うん?」


「舞とよく取材に行くじゃろ?」


「そうだな」


「舞のこと、まだ好きなのか?」


「お前なぁ……」


「じゃってぇ。前はデレデレしとったし」


「比良坂さんのこと、この状況でまだ好きだったら俺最低じゃん」


「……そうじゃな。最低じゃな」


「だろ?」


「う」


「ん?」


「うおおおおおおおぉぉぉ!!」


「あだだだだだ!? ちょっ!? 抱き付くなって!? いだだだだ!? 力強すぎだって!!」



「だって……きなんじゃもん♡」



「さすが力999だなぁ」

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