第46.5話

「ジュン! 今日はウチが夕飯作ってやるぞ♡」


「え、めずらし!?」


「なんじゃその反応は!? もっと感謝せい!」


「あ、ありがとな」


「今日はゆっくり休むのじゃぞ!」


「じゃ、お言葉に甘えようかな〜」


「……」

「……」


「の、のうジュン?」


「ん? なんだ?」


「ウチがノがみになってる間、オヌシ……何をしておった?」


「な、何って別に何も……」


「怪しい。正直に言うのじゃ」


「あ、怪しいってなんだよ? あの時はもう必死で……で、デートしたりとか、かな」


「デートじゃとぉ!? ウチとはまだしたことないのにノがみとデートしたのか!?」


「お前とはいつも一緒だからデートも何もないだろ……」


「そういう問題じゃないのじゃ!! うぅ〜ウチがジュンの最初のデート相手になるつもりじゃったのにぃ」


「いや、でもだってさ……」


「うぅぅぅぅ。みんなを救うため仕方ないとはいえ……そんなぁぁぁ……」


「な、泣きながら野菜切るなよ!? めっちゃ怖いぞそれ!?」


「じゃってぇ……」


「でもさ、俺は楽しくなかったよ? アイツすぐ他人に酷いことするから……気が気じゃなかった」


「それは……すまんかった」


「お前が謝ることじゃないよ。カノガミのおかげでその人達も元に戻せたからさ」


「……」


「それにさ、デートスポット行くたびに思ったんだよ。『カノガミとだったらもっと楽しかったのになぁ』ってさ」


「ジュ、ジュン〜」


「いや、泣きながら包丁使うのマジでこわいからね!?」


「じゃってうれしいんじゃもん♡」


「そ、そう? ……そういや、なんで彼ノがみって俺と同い年ぐらいなんだ? お前とみーちゃんが合体したのに変じゃん」


「そりゃあアレじゃ。彼ノがみは14歳じゃから」


「は?」


「いや、じゃから、彼ノがみが生まれて封印されるまでが14年間じゃったからじゃ。封印されてた340年をカウントに入らなければ14歳じゃ」


「えええぇぇぇ!? じゃ、じゃあなんでカノガミは大人の姿なんだよ!? みーちゃんはなんで!?」


「ウチらはの、チヨの年齢をイメージしとるのじゃ」


「チヨさんの年齢……?」


「彼ノがみが初めてチヨに出会ったのが、チヨが7歳の時で、チヨが死んだのが21の時なのじゃ。それをウチらが無意識にイメージしたのじゃろうなぁ」


「だ、だからみーちゃんが7歳でカノガミはその姿なのか……」


「なぜか記憶と姿が逆さまになってしまったがの」


「なんだか、色々な謎が解けた気がする。ちなみに、カノガミとみーちゃんって実際の歳はどうなんの?」


「彼のがみと同じでジュンと同い年じゃ。多分」


「多分って……」


「心は14歳じゃもん♡」


「う〜ん。ぶりっ子ポーズしながら言われると逆に無理してる感が……」


「なんじゃとぉ!? どういうことじゃあ!?」


「い、いや……確かにそれならお前とも気が合うのも納得かなぁ」


「そうじゃろ? じゃからウチとジュンは相性バツグンなんじゃぞ」


「相性というか、精神年齢が同レベルというか……」


「ん? なんか言ったか?」


「いや、なんでもない」


「よし! 夕飯できたのじゃ〜」


「お、どれどれ?」


「どうじゃ!? 渾身のデキじゃぞ!」


「な、なんでこの暑いのに鍋なんだ……?」


「じゃって簡単なんじゃもん♡」




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