「ラブラブ演習」は危険がいっぱいじゃ!
第22話 1/2
食事と入浴を終えて、みんなで談話室に集まった。
「まだ時間も早いし、せっかくだからなんか映画でも見ようぜ〜」
夏樹が数本のビデオを持ってきた。
やるじゃん夏樹!
最近はDVDが主流になりつつあるけど、ビデオも現役だよな! ウチもPS2があってもまだまだビデオで見ちゃうしな〜。
--ウチは青ダヌキの「夢幻3剣士」が見たいのぉ〜。
それは家で見れるだろ。
--そうじゃった。ジュンの家は青ダヌキのビデオいっぱいあるしのぅ。
う、うるせ! カイ兄が好きで揃えたんだよ!
カノガミは放っておいて、みんなで数本のビデオからファミリームービーをチョイスした。
「なっつん家のおっきいテレビで観たら楽しそう♪」
「音響にもこだわってるんだよ〜」
「羨ましいな。俺もこれぐらいデカいテレビが家にあったらな」
「この映画大好き! 外輪君は?」
「お、おおおお俺も好きだよっ!」
--ジュンっ! デレデレするでない!
夏樹がデッキにビデオを入れる。
「よっしゃ! 再生っ!!」
そうそう! この映画って最初が笑えるんだよなぁ〜!
ん?
画面に砂嵐が走る。
ん?
井戸みたいな映像が流れる。
ん?
井戸から手みたいのが出てくる。
ん?
井戸から女の人みたいなのが出てくる。
「おい。これってなんだか……」
「呪いのビデオです」
後ろに秋菜ちゃんが立っていた。
「呪いのビデオおぉぉっ!? 秋菜ぁ!? 何してくれてんのぉぉぉ!?」
夏樹の叫びがこだまする。
「みなさんにはお兄様の覚醒の手助けをして頂きます」
「ちょっ!? これってアレだよね? 都市伝説の……観たら1週間後に」
「5分です」
え?
「観てから5分後に呪い殺されます」
ちょおおおおおおぉぉぉ!? 秋菜ちゃんんんん? 何してくれてるんですかぁぁ!?
「みんな逃げろぉぉぉっ!?」
「きゃあああああぁ!」
「……」
「スクープじゃん!? カメラカメラ!?」
「お兄様今です!! 覚醒するのです!」
……。
「ちなみに秋菜ちゃん。他のビデオ選んだらこんなことになってなかったのかな?」
「いえ、これが30分、これが10分、これが1分の呪いのビデオです。全てすり替えておきました」
……。
そうだ! 小宮と比良坂さんは!?
「きゃあああああっ!?」
「いいよ〜! 舞ちゃんいい表情だよ〜」
小宮がニヤニヤしながら怖がる比良坂さんをカメラに収めていた。
……。
い、犬山は冷静だ!
「い、犬山!! 何か策は……」
「……」
座ったまま気絶してるぅぅぅぅ!?
テレビから長い髪の女の人が出てくる。
……。
そうだ! 芦屋兄妹は!?
「さぁお兄様!! 呪いのビデオのソド子さんにみなさんが呪い殺される前に覚醒して下さい!!」
「無理いいィィ!? 俺は一般人なんだよおおおぉぉ!?」
夏樹の目から滝のような涙が流れ出している。
……。
助けてええぇ!! カノガミサマぁぁ!?
--しゃあないのぅ。ウチの出番じゃな?
人間態になったカノガミが手首を回しながら首をコキコキ鳴らす。
うおぉぉ! こんな時には本当に頼りになるぅ! 好き!!
--なんじゃ♡ ジュンも素直になれるではないか♡
「もうお兄様ってば仕方ないですね」
--え?
「破っ!!」
秋菜ちゃんの一撃でカノガミが霧散した。
……。
何やってんすかあああああああぁぁぁ!?
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