第20話 4/5

 むかしむかし。


 あるところに白水しらみずという村がありました。


 村は特別裕福ではありませんでしたが、村人全員が協力し、作物を育て、食べるには困らない場所でした。


 ある日、カミの言葉が聞こえるという娘が現れました。その娘は名前をチヨと言いました。


 チヨはカミの言葉を伝え、村人がその通りに作物を育てると、昨年よりも多くの作物が育つようになりました。


 村人は大層喜びました。


 しかし、その年から、村人が1人、また1人と消えてしまうようになりました。


 不審に思った村長はチヨを調べました。


 すると、チヨは村人を生贄にし、かみに作物を実らせていたのです。


 村長の話を聞いた村人達は激怒し、チヨを殺しました。


 すると、チヨに取り憑いていた悪いカミが姿を現し、村人の半数を殺してしまいました。


 村人はカミを恐れ、意図も容易く人を消し去ってしまうことから、彼の世あのよのかみ、ノがみと名付けました。


 事態を重く見た村長は、幕府へと嘆願し、古くから続く陰陽師の一族である芦屋を派遣して貰えることとなりました。


 村へとやって来た芦屋一族は多くの死者を出しながらも彼ノがみの力を調べ、遂にそれを封印したのです。


 その後、村人達は芦屋一族に感謝し、芦屋家を村へと迎えました。


 その後、芦屋は彼ノがみの封印を守りながら、白水を納めましたとさ。


めでたしめでたし。

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