第12.5話

「ソトッち! 一緒に帰ろうよ」


「あれ? 珍しいな。いつもギリギリまで学校に残るじゃん」


「んふふ〜。今日はねぇ〜早く帰るって決めてたの♪」


「なんかあんのか?」


「ううん。できる部長は休む日をしっかり決めておくものなのだよ!」


「そういうもんか」


「そういうもんなの」


「……」


「……」


「最近何かいいことあった?」


「え? なんで?」


「最近、ソトッちの部屋から楽しそうな声が聞こえるな〜と思って」


「え、聞こえてる!? マジ?」


「マジ。カイ兄帰って来てるの?」


「い、いや。帰って来てたら小宮の家にも挨拶くらいするだろ」


「え〜そうなんだ。じゃあ誰か他の人がいるのか〜」


「あ、しまった」


「『しまった』って何? 意味深!」


「いや、その、アレだよ! 貯まった小遣いでPS2買ってさ! ちょっと興奮して声に出ちゃって……」


「そういうもんなの?」


「そういうもんだ」


「そういうことにしておいてあげましょう♪」


「な、なぁ。帰りにアイス奢ってやろうか?」


「え〜? それって買収のつもり〜?」


「いや、ちげーよ! ほら、日頃の感謝のしるしってことで」


「うんうん。じゃあ買収されてあげましょう♪」


「……ウワサとか広めるなよ?」


「じゃ、トリプルね♪」


「うげっ!!」


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