第8.5話
カノガミと出会って数日後。
「ただいまー」
--おかえり〜。
「お前一緒に出かけてたじゃねぇか」
--ええじゃろ。こっちの方がジュンも嬉しいんじゃないかと思っての。
「まぁな」
--おぉ! 今日は素直じゃの。反抗期抜けたか?
「うるせ。夕飯何食べたい?」
--そうじゃなぁ。ウチは簡単な物で良いぞ♡
「簡単って言うのが1番難しいんだよなぁ。冷やご飯あったからチャーハンにしよっかな」
--卵スープも希望じゃ!!
「ああ。じゃあさ作ってる間風呂掃除しといてよ」
--ええぞ〜。
「ちゃんと風呂用洗剤使えよ! この前間違えただろ!」
--任せとけ! ウチを誰だと思っとるんじゃ! ちと待ってろ人間態になるからの。ふんっ!
「……」
「どうじゃ!?」
「なんでブラウスにスカートなんだよ?」
「いいじゃろ〜。女教師を見て研究したんじゃ。仕事終えて帰ってきたOLみたいでソソるじゃろ?」
「いや、俺中学生だし。良さがよく分かんねー」
「え〜!? ジュンはつまらんヤツじゃの〜」
「いいから早く風呂洗ってくれよ……」
「おっとそうじゃった! うおおおおぉぉぉ!!」
「この光景って他のヤツが見たらスポンジや洗剤が飛び回ってるように見えるのか?」
「終わったぞ! さ、マンガマンガ♡」
「飯できたら切り上げろよ〜」
「分かっとるのじゃ〜」
「……」
「……」
「カノガミ? 何読んでんだ?」
「この青ダヌキが出るマンガ……いつもと雰囲気が違うのじゃ」
「そっちは大長編だからだよ」
「ジュン」
「なんだよ?」
「腹減った」
「もうできるから待ってろって」
「お、こっちの雑誌に載ってるマンガも面白いの♡ ウチも言ってみようかの〜『ウヌ。頼んだぞ。ジュン』」
「お前が言ったらややこしいだろ。できたぞ〜」
「あぁ〜いい匂いじゃのう!!」
「いただきまーす」
「いただきまーす!!」
「お前……すげぇ勢いで食うよな」
「じゃって、モグ、めっちゃエネルギー使うんじゃぞウチは。モグモグ」
「これも他のヤツが見たら、食いもんが勝手に消えてるように見えるのか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます