第6話:弾避け?

 いきなり騎士団団長の座を奪われ途方に暮れていたところ、懇意にしていた情報屋から仕事斡旋業者の情報をもらった。仕事斡旋と言っても内容は様々で、こちらの依頼に対して道筋を作ったり、必要な人員を集めたりもしているらしい。


 そして“”に合った。とても物静かな男で、一言で言うと何を考えているかわからないタイプだった。しかし、“藁にも縋る思い”とはこの事だろう。目的の為なりふり構わず提案に乗った。


 冒険者ギルドに行き、カウンターの女に銅貨を1枚と銀貨を3枚見せる。その際銀貨を1枚だけ裏にする。それが割符の代わり暗号だった。


 キュア夫とか言うチャラい男と引き合わされた。大丈夫なのか? “”が言うには『思慮が浅く弾避けに最適』という事だが。


 任命式は三日後に迫っている。『恥をかかせる』なんて下らない理由で作戦に乗せたが、。そして“”の作戦シナリオは、その場でキュア夫を斬り、犯人に仕立て上げる事。


 特に難しい事はない。そういえばその弾避け男、新団長の事を知っているみたいだった。

 

『あれ? 新団長って……ドンキー? ……え? なんでこいつ成り上がって……ドン……何で??』


 何を混乱しているのか知らないけど、こっちが『何で?』と聞きたいくらいだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る