疎外島

 進めば見えるのは海沿いの街...

この国はサンライトイエローに輝く砂浜を、

半月状に囲んだ地形を持っている....。

これはこれは綺麗な印象があるが、

気になるモノが一つ....。

その半月から見事に外れたような...

恐らくシンデレラフィットな島。

モリモリと森林で包まれた島だ。

そういえばリュックの構成を変えたら、

もっと入るようになって嬉しい....。

そろそろ乾パン食べきらなきゃなぁ....

そんな事思ってその街に踏み込んだのは、

後ろで纏めた銀の髪に、

パステルピンクの瞳...瞳孔は猫の様に細く、

羽織は変わらず純白を保ち続けている...。

そんな彼女は、彼女の名前はシュネー....

この世界に独り生きる旅人だ。


 海岸沿いの国は堂々と何もせずに、

そのまま入国していいタイプのが多い...

国と言うより街って感じな国が多い。

ここも例外では無い。

さて、適当にしっかり宿を見つけると...

荷物を置いて直ぐにシャワーへ、

少し流してシャワーの水をちょっとだけ...

ぺろり。

「うん淡水」

淡水かどうか...海沿いの微妙な宿や、

あんまり気にしない国の時、

本当にまれだが海水...つまり、

塩水が流れる事があり....

うっかりそれで洗ってしまえば、

身体はベトベトで、

無限シャンプーならぬ無限シャワーの完成、

まぁ、気づいたら直ぐにタオルで拭くが...。

此処はしっかり淡水だったので安心して...

「ふあ〜.....」

さぁぁぁぁぁ....

しゃがしゃがしゃが.....

さぁぁぁぁぁ.....キッ!

ガチャ

そうしてホカホカでシャワーから出ると、

着替えるモノに着替えて地図を開く...

にしても、島の形が綺麗すぎる....。

その島も半月状で、

この街から外れたようにしか見えない。

これは何かあるに違いない....

住民への聞きネタが確立されたところで、

乾パンを噛み砕いて寝た。


 翌日、プラン通り島について聞き込んだ。

『あんな島について調べてどうするつもりだ?あの島は汚い民族が自由も無く暮らしているだけらしいぞ』『行ったことないけどよ...行った所でどうせ何も無いぜ?』『100年前からああだったんだってよ...今頃文明も古代オブ古代だろ』『島?そんな事より一緒にお茶しない?』

らしいので...足を運ぶ事にする...が、

なんと船も出ておらず、渡る方法が無い。

船がない理由も"行きたくない"から....。

ヤバいモンスターでも住んでいるのか?

さて、どう渡るか...。

水の上を走る....!

のは流石に無理がある....

あ、泳げばいいか。

宿のマスターを信頼して荷物は置いていこう。


 という訳で本当に泳いで渡った...

ズボンとシャツでクロールで300mを2分半...。

彼女基準の安定ペースでしっかり泳ぎ切る...

ざぱかあ!

使われず寂れた船着場に上陸。

そこから門の様な場所に立つと.....

「誰かいますかー!」

......無音か、

その門を潜ろうとすると.....。

『動くな!』

男の声。

「やっぱいるじゃん!旅の者だ!」

ちょっと沈黙、

シュネーには戸惑いの間に感じられた。

『どうやって来た!』

「泳いできた!」

また沈黙、

『何が望みだ!』

「社会科見学!」

沈黙、

『......通れ、そのまま進むが良い』

「さてさて?どんな蛮族が居るんかな?」

と、小声で呟くと....門を潜る。

言われた通りに入り組んだ道を進むと....

パァッ!

そこに見えたのはドーム状の建物...。

『入るがよい!』

独りでにその重厚な鉄の扉が、

ゆっくり上にフェードアウトして行く。

「やばそーなよかん!」

好奇心赴くまま、その中に入る...。

中にあるのは...四角い箱が沢山.......が、

その箱が喋っていた。


 EXT










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る