忘れた国
国民のほとんどが忘れっぽいのだ。
毎日毎日、日が暮れて....
寝たらやった事全て忘れちゃうのである。
銀の髪の女がとある日の朝、
宿から出かけに行った...。
パステルピンクの瞳を瞬きでシバシバさせ、
たまに
昨日の夜選んだパン屋に朝ご飯を求め......
彼女の名はシュネー...旅人である。
シュネーは外テーブルに座って脚を組む...。
「うーん....」
クロワッサンにバゲット、米粉のパンなど...
バリエーション豊かだが、もちろん食すは、
「サンドウィッチ1つ...やっぱ2つ、片方はハムサンドでこっちはBLTで...」
この国は定刻式で、限るある時間の中なら、
幾らでも食事し放題、
補給も"割と"好きなだけ........
その期限は4日間、全力で楽しむしか無い。
とある国でも定刻式だったが、
ポカをやらかして楽しむどころでは無かった。
今回、そんなルールは無いので...
そういう恐れを考える必要も無いのだ。
然し
一度やらかすと、ブレーキが効いて
結局思うように出来ないのが人間.....
今回は果たして.....?
食事中、ヒトとしてどうかとは思うが、
国民たちの会話に聞き耳を立てる。
いい天気ですね」
「そうですね!今日は筋トレに行きますの!」
「楽しんでぇ」
....そんなたわいもない会話を聞くのだ。
国の第一印象自体は特に普通のいい国だ、
人柄もいいし、犯罪率もかなり低いらしい、
物価も安く(関係無いが)、パンも絶品!
それから国を回って宿に帰る....。
寝る前、特に何も無い国に普通の国だな...と
思ってしまったシュネーだったが...
近いうちに少しずつ異変を嗅ぎ取る事となる。
次の日、今日もパンを食べに行く。
クロワッサンを頼むしっかり2個.....
そして勿論、周りの話に耳を立てつつ、
「いい天気ですね」
「そうですね!今日は筋トレに行きますの!」
「楽しんでぇ」
当初、今日「も」な気がした。
それと、割とムキムキだな....。
ところでパンは相変わらず美味しい、
色々回って宿へ.....。
さらに翌朝、米が食べたくなってきたので
店にある米粉パンを頂く。
例によって今日も国を聴く....
「いい天気ですね」
「そうですね!今日"は"筋トレに行きますの!」
「楽しんでぇ!」
確かに"は"と言った......。
何かあるに違いない、聞いてみる事にする。「お嬢さん、旅の者だが...少し良いかな?」
『ええ、良くってよ?』
「昨日もそのまた昨日も、あなたは筋トレに行くと言った...それなら今日"は"では無く今日"も"では無いのかな?」
『えぇ〜なんの事です?私は初めて行くのですよ...変わったヒト.....あら...時間じゃないの!ごきげんよう〜』
その女性は去って行った....。
「君は?君も同じことを言ってたが....」
『うーん...わからないです.....忘れっぽくて...』
「なるほど...すまない、ありがとう」
少し考察するが...どうも決め手に欠ける。
この国は忘れっぽいヒトが多い...?
それだけで定刻式に....?まさか....?
いや....もしや.......
シュネーは走り出すとある場所に向かう。
そのある場所とは....
EXT
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます