籤引の国
一人の女性が国へ訪れようとしていた。
銀の髪を後ろで纏め、
透き通った薄桃色の瞳を持つ。
その瞳孔は猫のように細い....
彼女の名はシュネー、見ての通り旅人だ。
入国時、普通ならばペンでサイン書いて、
そんでもってちょい待てば入れる。
...のだが、
『はい!ようこそ我が国へ!旅人さんですね!』
頷く
『ではこちらの古来より伝わる"
「これ?回すぞ?」
『はい!』
がらがらがら....からん...。
『赤玉!これは....』
「....」ゴクリ
『いいでしょう!どうぞ歓迎します!』
ほっ....
どういう決め方だ....ヒヤヒヤするぜ....
シュネーはそうして無事入国を果たす。
指定の宿へ向かうと...
『貴女、球は貰いましたかね?』
「これかい、赤いの」
『ではこの部屋を...』
鍵を渡される...真っ赤に塗装された鍵だ。
「ありがとう」
『お寛ぎくださいませ』
その鍵と同じ番号の部屋に行き、
扉の鍵穴に差し込むと、
がちゃ...
「ん.....これは」
普通の部屋だ。
ベッド1つ、シャワールーム完備...。
なんてことは無いそれはそれは普通....
「変な空気感だったから何か有るかと思ったが....」
少し考えていたが、一旦止めると
シャワールームへと消えた。
暫くしてシュネーはバスローブに着替えて
乾パン片手に国のマップを見る。
鉛筆で道をなぞり、寄るべきところに丸。
そうしてベッドに身を預けた。
翌朝、ロビーに降りると...
他の客がカウンターに訪れるのが見えた。
すると突如....
ゴシックなメイド服に着替えた女が現れ、
その客の荷物を持ち上げ、
そうして部屋へと持っていった....。
そういえば自身の時には無かった
カウンターの男に聞いてみると...
『お客さんは赤色ですよね?』
「なにが...これか!」
昨日見せた球をリュックから取り出す。
『左様でございます...貴女は赤...ですから下から2番目...緑、赤、青、黄、銀...の順でグレードが上がっていきます。先程のお客様は銀の球でございましたから...その分部屋のグレードも上がりますし、専属メイドも着きます...』
「何もかも運で決まってたわけネ....」
『引き直しもできますよ?門外に出て、日を改めてまた門から入れば良いのです。』
「ふーん....それはやめとくよ」
『左様でございますか』
「お客様の自由できる事も増えるってこと?」
『まぁ、そうですね...いま、先程の客より貴女様の方が立場は低いでしょうな...。若しかしたら....』
「うわぁーえぐいね」
『それも貴女様の運次第でございます。』
『きゃあっ!』
女性の悲鳴が響いた。
『なんだよ!俺様は銀だぞ!お前はそれより下だ!道を開けろ!』
噂をすれば...
銀の髪の旅人、シュネーはその方を見る。
『俺はラッキーなんだ!ひれ伏せよ!黄色以下はよォ!』
広いロビーに男の声が反響する。
めんどくさそうなので外に出る事にした...
かったが...
『おい!女!どこへ行くんだ?』
面倒な事に巻き込まれそうだ....
EXT
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