中篇
と言うか
作風からはパリピな兄ちゃんを想像していたのだが、世の中わからない。
「
「ねこみで良いよー、あと先生はやめてほしいな。同じ作家同士なんだから、そんな気つかわくて良いよ」
「あ、じゃあねこみ……さん」
「あはは、なんかお見合いみたいだねー」
「そ、そうっすね」
俺は超緊張していた。
俺はハルさんの計らいで今日は早めに上がらせて貰って、私服に着替えてから
そして俺は今、
「ほんと、良い店だね。私、通っちゃおっかな」
「
「うん。同じ区内だよ」
「そうだったんですか……もしかして、
「あ、よく分かったね!」
「実は俺もファンなんです。
「そう、私もまたたびくらげ先生に憧れて、上京する時にはこの
俺と
因みに〝またたびくらげ〟先生と言うのは、昭和の時代に活躍した、偉大なる漫画家だ。
代表作は少年ジャスパーに連載していた『薄刃カゲロウの歌』だろう。因みに野球漫画だ。後半ほとんどボクシングだったけどな。
俺は元々地方の生まれなのだが、なんとなくで上京したのだ。だが東京に出る時に何処に行けば良いのかさっぱり分からなくて、何となくまたたびくらげ先生が生前住んでいたと聞いた事があるこの
まさかそれが
俺は、すっかり
そしてついに、
「ねえ
「いや、やらないですよ」
「なんだー残念。」
「
おそらくコレとは、パチンコ代のダイヤルを捻る仕草だろうと見た。
「うん。まあ私はスロットの方だけどね」
「へえ、意外ですね」
「そう?ほら、今って色々アニメとかの台が多いじゃない。だから気になって」
「なるほど。確かに、有名なアニメのパチスロのCM見ると、気になっちゃいますよね」
「ま、私がハマったのは4号機の頃で、5号機になってからはあまりやってないんだけどね」
「すみません、言ってる事が全くわかりません」
「ううん、いいの気にしないで。それより、実は……ちょっと気になる台があってね」
「気になる台?」
「うん。だから
なんだろう……俺が好きそうなアニメのタイアップでもあるんだろうか。
正直ギャンブルには興味がないが、バーテンのバイトをしているとよくお客さがそういう話をする事もある。
お客さんとの会話のためには、ハマらない程度にやっておくのもありかもしれない。
アニメの台ならなおさらだな……それに、
だが、
「スロやらない
「変わってる?」
「うん。アニメとかじゃなくて、Web小説がテーマのスロットが出たのよ。その名も〝小説パチスロ・カクウツ伝説〟……なの」
「……小説パチスロ。い、意味がわかりません」
「だから、ね。行ってみようよ」
そんな訳で、俺は
——後篇に続く。
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