追放
第6話 追放
何だか妙に揺れるので、何事かと思ったら俺は簀巻きにされているようだ。
全く身動きが取れねえ。
しかもご丁寧に何処かへ運ばれている途中らしい。
当然ながら簀巻きにされているので、もう一度確認してみるが起き上がる事はできない。
全くもって身動きが取れないぞ。
そして、物凄い揺れなんだが。
幸か不幸か、簀巻きになっているので揺れる度にあっちゴロゴロ、こっちゴロゴロと転がる俺。だが、簀巻き状態だからなのか何か知らんが、それがクッションになっているようで、どっかにぶつかっても俺に痛みはない。
うーん、確か殴られて、気を失っていたんだよな。そして気が付けば俺は何かに積載させられ、どっかに輸送中らしい。
はあ、マジで追放とか勘弁願いたい。
あの金髪美女、いや美少女か?俺を呼び出したんだから何とかしろよ!
だがあれから一度も会わずにこの状態。
そして気が付けば揺れがどんどん激しくなる。
転がっていただけなのが、今ではバウンドしている。
いかんな、舌をかまないよう気をつけねば!
そんな事を思っていると、なんだか変な衝撃がやってくる。
それに音もだ。
衝撃とともに、ドカンドカンとすごい音が聞こえる。
そして俺の身体は明らかに跳ね上がったり落下したり、ちょっと考えられない動きを感じる。
おいこれやばくね?明らかに何かあったよな?
そう思っていると、今度は明らかに俺の体は跳ね上がり宙を舞い、今移動しているこの乗り物か?その壁にぶつかっている感覚がある。
そして、今までで一番の衝撃と共にそれはやってきた。
ドン!
俺は何かにぶつかったのはわかったがその後、床にすごい勢いでたたきつけられた感覚があり、いや落下というべきか?
その後暫く転がっていく。
で、完全に収まった。
何がって、俺の揺れがだ。
俺は身動きができないからわからないが、あれ?俺落下したんじゃね?
しかも暫くそのままでいると、周りは何の反応もなく、徐々に静かになっていく。
激しい揺れと衝撃、そしてたたきつけられたりで、どうやら簀巻きの拘束は解けかかっていたらしく、俺は身体に力を入れ腕を広げると、あっさりと簀巻きがほどけた。
あれ?簡単に解けたぞ?気が付いた時に藻掻いた時はびくともしなかったのだが。
で、何度かもぞもぞすると、足元を含め完全にほどけ、俺は簀巻きから解放された。
やれやれ、だ。
だが、体の節々が痛み、暫く立ち上がる事が出来なかった。
じっと痛みが引くのを待ち、何とか立ち上がる。
どうやら草むらの中に俺はいたようで、周りは草だらけ。少し先には道らしき何かが見えるみたいで、動くものは見えないな。
どうやら俺は移動中に落下したようだ。
しかもそれに気が付かず、俺を積載していた何かはそのまま去ったみたいだ。
去ったと言うか、逃げていた?
全く状況がわからんが、まあ助かったみたいだ。
しかし、此処は何処だよ?人の住む場所から近いのか?
見渡す限り何もなさそうだが、どっちに行けばより近いんだ?
俺は困ってしまった。
どうすりゃいい?
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