第5話 表示がおかしい
「あら、申し訳ございません!カードの確認を忘れてしまいました。」
え?もう遅いんじゃないか?さっき額に当ててって言うからやっちまったぞ?
「カード、元に戻せないのか?」
ダメ元で聞いてみるが、案の定というか、
「申し訳ございません。一度取り込んだカードを取り出せたという事案は、残念ながら御座いません。死ねばその限りでは御座いませんが。」
うわあ、マジかよ。まあちゃんと確認できればいいんだろうけれど、どうすれば?
「どうやってカードを確認するんだよ?」
俺は訳が分からないからそう聞いてみる。
「人には少なからず魔力が備わっておりますので、その魔力で表示を確認できます。”ステータスオープン”と念じていただければ確認できますし、魔道具で表示も可能でございます。」
ステータスオープン?
そう思ったら、なんか頭に?表示が出る。
<名前:
<種族: 人間>
<年齢: 15>
<性別: 男の子>
< LV: 0>
<燭堯:游者Lv0>
<恥寡裸 : F>
<胎侶垢 :F>
<恥力 : E>
<精子NO力: D>
<春貧 : E>
<魅力 : C>
<運 : S>
<保有スキル>
<特殊(ユニーク)スキル及びギフト>
???・???・???
<称号>
遊者
<所属>
無し
・・・・おいなんだこりゃあ!色々おかしいぞ?どう読むんだこれ?
注:本来ならこうなるはずでした。
<名前:
<種族: 人間>
<年齢: 15>
<性別: 男の子>
< LV: 0>
<職業:勇者Lv0>
<力 : F>
<体力 : F>
<知力 : E>
<精神力 : D>
<俊敏 : E>
<魅力 : C>
<運 : S>
<保有スキル>
無し
<特殊(ユニーク)スキル及びギフト>
???・???・???
<称号>
勇者
<所属>
無し
注:どういう訳か、正常な表示がなされておらず、色々おかしな事になっている。
そしてこの表示が後々まで厄介ごとになるのであるが、今はまだそんな事態になるとは思っていない。
俺が混乱していると、そばにいる女、案内人だっけか?が、
「どうされましたか?」
「どうしたもこうしたも、色々おかしすぎてどうしたらいいんだ?表示がめちゃくちゃだぞ?」
「え?少々お待ち下さい、こちらで確認いたします・・・・成程私共には読めませんから、こちらの言語に変換でしょうか?で・・・・え?何ですかこれ?ちょっと!貴方ゆうしゃじゃなかったの?」
「ええ?何々どうしたんだ?俺はさっき金髪の別嬪さんに勇者召喚とか言われ、ここに連れられたんだぞ?」
「ま、まさか!姫様が召喚を失敗なさる事などあり得ませんが、これは・・・・貴様、何をした!遊び人の分際で姫様に近づくとは、その罪万死に値する!今すぐ死ね!」
俺は心底驚いた!
温和そうな女が、いきなり恐ろしい形相になって、突然手にしていたナイフで俺に切りかかって来たからだ。
「うわあ!あぶねえって!すげえなこの鎧。なんともないぞ?」
俺はそう言いつつ、距離を取り、一目散に逃げる。
最初にいた部屋に行かないと。あ、スマホはきっちり回収した。ついでにこの石板とやらも収納したがいちいち確認できない。
「待て!逃げるな!」
なんだなんだ?どうしてこうなった?俺は勇者じゃないのか?しかも招かれた、要請に応じたんだぞ、一応。なのに何で遊び人とか言われ、攻撃を受けてるんだ!
気が付けば最初の部屋に居て、どうやらえらいさん、あれは此処のトップか?
「ど、どうされたゆうしゃ殿、もう着替えは済んだ・・・・ようじゃの。だが、何事じゃ?」
するとあの狂った様に襲い始めた女が息を切らせてやってくる。
「皇帝陛下・・・・ハアハア・・・・この・・・・男は・・・・ハアハア・・・・勇者では御座いません!ハアハア・・・・」
「何?どういう事だ?娘の召喚でやってきたではないか!余も目の前で見ておったぞ?」
「どういう仕掛けか存じませぬが、この男・・・・ハアハア・・・・よりにもよって・・・・ハアハア・・・・”遊び人”でございます!」
一瞬にしてこの場が凍り付く。
「なんだと!まさか!あり得ぬ!しかもよりにもよって遊び人だと!」
俺は気が付けば周りを兵士で囲まれ、兵士?騎士か?により捕まってしまった。
「何の目的か知らぬが、今すぐ国外追放じゃ!誰か、この者を連れて行け!せめてもの情けじゃ!命までは取らぬ。いや、慣例に従えばどこかの村か。まあいい。任せた。」
「んな!無茶苦茶な!俺が何をしたっていうんだ!あの女を連れて来い!」
「黙れ下種が!」
俺は頭を強く殴られ、意識を失った・・・・
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