推しの24
「と言うわけで……ふぁいからりーふvs毘沙門龍子、互いのファンの意地とプライドを懸けた一大合戦、
「舞台は因縁の小田原城。
「我がもとへ来たれ、ふぁいからりーふの戦士たち! 関東を制し、天下を奪うそのために!」
「集え、越後の勇者たち。いまこそ歴史は覆り、関東は上杉のものとなる」
「五色揃いの旗の下!」
「毘沙門天の旗の下!」
「「一大騎馬合戦の開催だあっ!」」
「ついにきたあっ!
ふぁいからりーふvs毘沙門龍子!
関東の支配を懸けた一大決戦! 勝利を得ようと小田原城にはせ参じた、ふぁいから衆は四万五〇〇〇! 戦場を埋め尽くす膨大なるファン、ファン、ファン! モニターには『泳いで千葉』の名場面が次々と映し出され、五色段々の馬印と北条鱗の旗が翻る! その姿、まさに波踊る大海原のごとし! あまりの熱気に大気も震え、蜃気楼さえ生まれるほどだ!
これぞ、ふぁいからりーふに生命を懸ける、ふぁいから衆の心意気! 対する毘沙門衆はわずか三万! 見たか、上杉! これぞ、推しへの応援に懸ける愛のちがい!」
「地元開催に人が集まるのは当たり前。対してこちらは越後からの壮大な遠征。それで、その差はわずか一万五〇〇〇。一人ひとりの愛の強さは我ら毘沙門衆の圧勝。まずは緒戦の応援合戦でそのちがいを見せてくれよう」
「上等! 愛のちがいを思い知らされ、その場で全員、泣くがいい! まずは恒例の声量合戦! 歌うは『歌の途中でウインクする表情が可愛すぎる』、『恋してるんじゃね?』と、ちまたで噂の新曲『反則バッドボーイ』!」
「こちらが歌うは、全新潟県民に軍神魂を見せつけたデビュー曲にして最高傑作『毘沙門ソウル』。日本刀のきらめきと共に発せられる魂の叫びを聞くがいい」
「声量対決の結果は……我ら、ふぁいから衆八七〇デシベル、毘沙門衆七六五デシベル! 我らの圧勝! 見たか、上杉! これぞ、日々の声援で鍛えたふぁいから衆の喉の冴え! しょせん、お前たちとは推しに捧げる愛がちがう!」
「人数が一万五〇〇〇もちがうのだから、声量に差が出るのは当たり前。それを誇るとは心性の卑しさが見えるな、北条。次なる対決『百問連発イナズマクイズ!』で毘沙門衆の愛の強さを見せてやろう」
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